うなずき力~部下のやる気を引き出すオヤジ管理職マニュアル33

著者の鈴木様より献本御礼。
会社は人間関係で成り立っており、人間関係がギクシャクしてしまうと折角進めるはずだった仕事も進まなくなってしまう。その仕事を進めるためには部下もわかりやすい説明するなどの変化を起こしているが、上司などの管理職も同様に変化する必要がある。とはいえ、長年の経験や考え方が醸成されているため、変化をすることは難しいのだが、些細なことで驚くべきほど上司と部下をはじめとした人間関係の変化をつくるこができる。
それが、本書で言うところの「うなずき」である。辞書で調べてみると、

「諒解・承諾の意を示して首をたてに振る。合点する。首肯する。」(「広辞苑 第六版」にある「うなずく」より)

とある。つまり他人の考え方や人格そのものを「肯定」するからである。
本書はオヤジ世代の管理職が自らの経験を通じて「うなずき」や「共感」を持つことの大切さを伝授している。

第1章「オヤジの人生が「うなずき」で変わる!」
会社にしても、ビジネスの世界にしても「人間関係」は必ずと言ってもいいほどついてくる。人間関係の中には年の離れた上司・部下もおり、「ジェネレーション・ギャップ」でわかり合えないような状態に陥ることも多々ある。
その中でオヤジ世代の大きな武器になるのは「うなずき」である。第2章「「うなずき」はオヤジの愛だ!」

第2章「「うなずき」はオヤジの愛だ!」
しかし人によってはアレルギーの如く「自分は厳しい環境で育ったのだから、部下を厳しく育てるのは自然だ!」や「部下を甘やかしている」という声がでてくるのだが、そんなことはない。むしろ部下のやる気を引き出すのも上司の仕事である。というのは仕事そのものを動かすのは部下であり、部下にとっても仕事を動かすための起爆剤になりたいと思っているからである。

第3章「「うなずき力」は「オヤジ力」だ!」
第1章でも書いたのだが「若手」と「オヤジ」と呼ばれる世代の差はいつの時代も大きい。行動にしても考え方にしても、言葉遣いに対する意識にしても、である。つまり「当たり前」田と思っていることを取っ払い、行う意味を説明する事、そして若手が行った事・考えにたいして共感を持つことで支持を得ることができる。

第4章「オヤジは今こそ「うなずき力」を磨け」
共感をする、うなずきをするためには頭の汗をかく必要がある。それは相手の考え方や性格に対してどのように対応をするか考えるためであり、うなずきの方法もまた違ってくるのである。

第5章「こんなオヤジは捨てられる!」
人は何度も変わる事はできるが、昔の美談にしがみついていては折角変わる機会を見失ってしまう。また、変化に対して鈍感な人も同様である。

第6章「共感オヤジは存在肯定を大事にする」
言葉は刃物である。人格否定の発言をすると物理的に刃物で刺すように心を傷つけ、立ち直れなくなってしまう。存在や人格を肯定しながら共感を身につけ、うなずきをする事によって部下や若手をお育て上げることができる。

第7章「オヤジは共感で愛を語る」
「加点主義」と「減点主義」というものがある。「加点主義」は長所や良かったこと、できていることを取り上げ、評価するものであり、「減点主義」は短所や悪いところ、ミスや失敗したところを取り上げ、評価する形である。本章では前者の「加点主義」について取り上げている。

第8章「これがオヤジの生きる道」
世代のギャップはどうしても埋めることはできないし、今まで通用した方法も変化が絶えないビジネス社会では通用しない。
オヤジたちの生きる道は人間観駅にしても変化に対応することにある。その一つとして「うなずき」や「共感」は重要な要素になる。

第9章「共感オヤジは未来を拓く」
「上司は部下のためにある」と言う言葉がある通り、実際に仕事を動かしているのは部下であることが多い。その部下が円滑に動かす事ができているのか監視する、というよりもむしろ共感し、気にかけ、そして上司は夢を語ることで変化を巻き起こすことができる。

「うなずき」や「共感」は人間関係を築くことにおいて大切な要素である。同時にギャップを埋めることもでき、ビジネスとしても、職場としても大きな潤滑油になる。
最後にふと気付いたのだが、「うなずき」が大事だとするのであれば、今から30年ほど前に結成されたグループ(現在は事実上解散)の「うなずきトリオ」を思い浮かべてしまう。