「心の世紀」と呼ばれる21世紀には、「うつ」と呼ばれる「心の病」を冒してしまう人が急増し、「うつ」という病気だけでも、傾向が様々なものがでてきた。「うつ」という感情の大きな要因として「ネガティブ・マインド」と呼ばれるような心理状態がある。
本書は「うつ」の根源となる「ネガティブ・マインド」の実態と傾向について知るとともに、「ネガティブ・マインド」との上手なつきあい方について伝授している。
第1章「ネガティブ・マインドとは」
本章、及び本書のタイトルである「ネガティブ・マインド」は簡単に言えば「マイナス思考」と呼ばれる考え方、及び感情である。なぜ「マイナス思考」に陥るのか、それは学校や会社など様々な場所における「体験」によって醸成される。体験の中から「マイナス思考」が生まれ、認知や行動、身体反応にまで広がっていく。マイナスの「体験」が深化することにより、「うつ」などの心の病に陥ることがある。
第2章「自己注目」
「自分はどのように見られているのか」「自分はどう見られたいのか」
そういう感情のことを本章では「自己注目」と定義している。「自己注目」の中で重視されるのが「行動」であり、自分の考えや心が行動と一致しているか、と言うのが問われる。
第3章「ネガティブ・マインドの仕組み―自己没入の中で起こること」
「うつ病」になる人の傾向として挙げられるのが「完璧主義」や「生真面目」と言ったものである。もっともここ最近ではそういった傾向が強く見られており、うつ病にかかる人が多くなっているのも頷ける。
さらに本章では「内在他者」と呼ばれる用語を使って、「自分はどう見られているのか」を細かく分析している。
第4章「ネガティブ・マインドの調節」
最後に「ネガティブ・マインド」からいかに脱却すれば良いのかを提示している。悩みを書き出す、食事をする、気分転換をする、運動をする、などストレス解消法ではよくあるものだが、「ネガティブ・マインド」にもよく効くものも多い。
ネガティブな感情は誰にでもある。しかしネガティブをそのまま放置する、あるいは助長をしてしまうと、「うつ」になりかねない。本書は「うつ」の原因の一つである「ネガティブ・マインド」を知り、対策を行うための一冊である。
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