なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか

私の家の近くにはいろいろな不動産屋がある。自分自身は今のところ「土地」に興味はなく、不動産屋のお世話になることはないのだが、本書のタイトルを見て、確かに不動産屋が倒産したという話を聞いたことがない。どうしてなのだろうと思って、本書を手に取った。本書は不動産屋のカラクリと不動産投資について取り上げられている。

第1章「不動産で儲ける2つの道」
日本人は土地が好きであると著者は考えている。その理由の一つとして元々日本人にある民俗性と土地に対する考え方はもちろんの事、会計学の観点からして土地は固定資産であるが、机や車、建物などの固定資産とは違い「減価償却」の概念がなく、ずっと持つことができる(ただし時価会計は存在する)。また土地は固定資産として所持できるだけではなく、「地価」という土地自体の価格が存在しており、それが景気により利益・損失につなげることができる。

第2章「不動産投資は、ギャンブルなのか?」
その土地を中心とした投資方法が「不動産投資」であるのだが、「投資」とつけられていると何らかのギャンブルなのか、と訝しむ方がいるのだが、それは「買って売る」ということを繰り返して行うイメージを持ってしまうからである。しかし「土地」は持っているだけで地価によって利益を生み出すことができるという。それはマンションを建てて家賃を受け取るということもできれば、農地にして作物を生み出すなど、使い方によっては地代以外の利益を生み出すことができるというのも理由として挙げられる。

第3章「なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか?」
さて、本書の核心に入る。なぜつぶれないのかについて、不動産屋の一日を取り上げながら、つぶれない「理由」について追っている。そのヒントとして挙げられるのだが、「地域」や「つながり」などが挙げられる。

第4章「「サラリーマン大家さん」のススメ」
サラリーマンでも副業として不動産投資を行っている方は少なからずいる。もちろん青息吐息の人もいるのだが、考え方・コツをしっかりととらえていけば「サラリーマン大家さん」も夢ではないという。本章ではそのイロハについて伝授している。

第5章「「土地は裏切らない」ということを、もう一度考えよう」
土地は言うまでもなく「不動産」である。動かすことができるものではない。それでいてなくなるものではなく、使いようによって利益を生み出すことができる、ゆえに「土地は裏切らない」という。

ごく不思議と思った事が一つ解決したと言えるのだが、本書の核心だけを見たい第3章を読めば十分と言える。しかし土地を売り買いするだけがすべてではなく、本当の意味で「堅実」な仕事であることを認識させられてしまう。本書はそういったことを気づかせてくれる一冊である。

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