父親次第

「子どもは親の背中を見て育つ」という言葉がある。これは子育てのことであるが、本書はそのことを言っていると思えてならない。もちろん親も子供を育てていく中で「親心」も芽生えてくる。本書は子育ての本であるが、実際に著者は3人の子どもを育てたことを綴っている。

第一章「子育ては親も育つから楽しい」
子どももそうであるが、大人も人間である。人間は様々な形で進化・退化する。著者の親子は「足が速い」という遺伝子を持っており、野球選手の親、そしてその親が育てた息子3人はいずれもサッカー界で注目を集める子どもにまでなったという。

第二章「「素直さ」が子どもを成長させる」
子どもは「素直」であるが、その素直を武器にして成長するためにはどうしたらよいのか、長所・短所の処理から、子どもの話の聞き方や評価の仕方などどのようにしたらよいのかを伝授している。

第三章「夢をかなえさせるために」
夢をあこがれているだけではかなえることはできない。かなえるためにはそれに向かって日進月歩の努力をするほかない。そうするために達成感を持たせるだけではなく、旅をする、個性を伸ばす、素質を開かせるなどの方法を本章にて取り上げている。

第四章「根気よく、わかりやすく教えていく」
成長は常に日進月歩である。その日進月歩の中で教えていくにはどうしても「根気」が必要である。本章ではその「根気」の重要性と、わかりやすく教えるためにはどうしたらよいのかを伝授している。

第五章「スポーツクラブでわかる人間の器量」
スポーツクラブではスポーツのスキルなどを成長することはできるのだが、そもそもスポーツクラブに入れるのはどうしてか、その目的から考えていく必要があると同時に、スポーツを入れることは育てる親として何を意味しているのか、本章ではそのことを述べている。

本書はあくまで著者の体験談から子育てに関することを伝授しているが、ただ子供をスポーツ選手にしたい親も少なからずいる一方で、スポーツ選手になりたい子どももいるという。もしも子どもがスポーツ選手になりたい親を持っているのであれば、本書は道標になる。