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2016年6月

選ばれし壊れ屋たち

「壊れ屋」という言葉を初めて聞いた。それに近しい言葉とすると、政治家の小沢一郎の異名である「壊し屋」というのがある。 それはさておき、本書は新人作家がどのように新たな作品をつくっていくのかを描いた作品である。新人作家が通る道として次回作を描くために東奔西走、試行錯誤を行うような場面があるのだが、その試行錯誤の中で編集者から出された宿題がなんとも奇想天外なものである。新境地を開くためなのかもしれない […]

介護離職しない、させない

「家族のために、介護のために時間を割くために会社を辞めるしかない」ということをニュースなどで聞くことがある。本当の話かと疑ってしまったが、なんと事実なのだという。そのような状況がなぜ起こったのか、そしてそうさせないためにはどうしたらよいのか、そのことについて取り上げているのが本書である。 第1章「私はこうして介護離職してしまった!」 介護は膨大な時間と労力を要する。それが引き金となって会社を辞める […]

ちちんぷいぷい

本書のタイトルにあるようなおまじないや呪文をかけた方は少なからずいると思う。自分自身もそういった呪文をかけたことがあるのだが(あくまで幼稚園の時代の話である)、本書はそういった呪文を題材にしているのではない。 ではどのようなものかというと、東京の片隅に生息している幽霊50体といった方が良いのだろうか。しかし幽霊と言っても、誰にも知られることのなく、陰湿な佇まいの印象を持ってしまうのだが、自分自身が […]

オトナ婚です、わたしたち―十人十色のつがい方

結婚のカタチは本書のサブタイトルにある通り「十人十色」であるのだが、その十人十色とあるカタチはどのようなものがあるのか、本書では様々な結婚の在り方を取り上げていくとともに、理想の結婚とは何か、そして「オトナ」な結婚の在り方とは何かを追っている。 第1部「カタチはなんでもいいじゃない<おもに事実婚>」 法律に縛られず、実質的な夫婦の仲となっている「事実婚」のカタチも様々であるという。完全に同居してい […]

ファミリー・レス

「○○レス」という言葉をよく聞くのだが、家族の存在が無くなると言った「ファミリー・レス」を取り上げている。家族との憩いの時間が無くなる、あるいは家族の団らんや会話のないようないわゆる「仮面家族」のような印象を持ってしまった。 しかし本書は家族と言うよりは「偽りの家族」と言った方が正しいのかも知れない。というのは夫婦や血縁関係の親子ではなく、単純に親子くらいの年の離れた他人、あるいはよくいる夫婦と同 […]

考え方の教室

「考える」ことは人間に脳や理性がある以上、当たり前のように行っている。しかしその「考える」を意識的に行っていくためにはどうしたらよいのか、それをどのように行ったらよいのかわからない方もけっこう多く、私自身もそのようなことに陥ったことがある。そのような状況から脱するために、どのようにして「考えて」いったらよいのか、その「考える」ことを行う、そして鍛えるためにはどうしたらよいのか、本書は「教室」という […]

「徳」の教育論

戦前の日本の教育には「修身」の授業があった。日本人とは何か、礼儀作法とは何かといった日本人として生きていくうえで大切なことを学ぶものだったが、大東亜戦争後は「道徳」という科目に取って代わった。その道徳は人間としての在り方、モラルの在り方を学ぶような科目の印象だが、そもそも道徳の本質とは何か、具体的に何を教えていくのか、不明点が多かったと言える。そのような中で道徳はどうあるべきなのか教育論の観点から […]

しゃらくせえ 鼠小僧伝

私自身も困難があると、本書のタイトルのように「しゃらくせえ!」と言ってしまう。その「しゃらくさい」という意味はいったい何なのか、漢字に直すと「洒落臭い」とあり、 「なまいきである。分(ぶん)をこえてしゃれたまねをする。利いた風である。」(「広辞苑 第六版」より) とある。私自身そういった意味を知らずして使ったのかもしれないが、実際に意味を見てみると、自分自身も「しゃらくさい」人間といえる。 本書の […]

発信力 頭のいい人のサバイバル術

今となっては情報を発信できる時代になってきた。もちろんそれはブログやSNSをはじめとしたものが挙げられるが、だからでこそ、文章をどのようにするか、そして力強く発信できるかが大事になってくる。著者は文章について様々な観点で指摘したのだが、その文章を派生して発信の重要性を見出し、本書にて説いている。 第1章「これからは発信の時代である」 インターネットが隆盛したことにより、発信する機会が多くなってきた […]

尻尾と心臓

本書は会社を舞台にしながら、ビジネスや人生について語っているように見える。そのことを考えると「ビジネス小説」のカテゴリに入るのかと思いきや、実際のところビジネスの場を舞台にした小説である。しかしその物語の中にはビジネスにおいて大切なこと、そして本書の帯にも書いてある通り「仕事とは何か?」の本質を取り上げている部分もあれば、人生の歩き方はどうあるべきかを説いている。 ちなみに本書は転職をした女、そし […]