ウイルスと地球生命

最近だとインフルエンザウイルスやノロウイルスが流行しており、手洗い・うがいなどが叫ばれている時期にある。他にもPCにはウイルスが存在しており、最近では量・質・種類共々増加傾向にあるので厄介である。その厄介なウイルスは果たして悪なのか、さらにそもそもウイルスはなぜ生まれたのか、そのことについて掘り下げられている。

1.ウイルスはどのようにして見いだされたか?
ウイルスは見いだされたきっかけは「口蹄疫」である。この病気は東国原英夫氏が宮崎県知事の任期満了の1年ほど前に流行したことが記憶に新しい。

2.ウイルスは生きているか?
果たして「ウイルス」は生物なのかというと非常に難しい定義であるのだが、そもそも従来の生物と「ウイルス」との違いはどこにあるのか、そして「ミミウイルス」の存在とは何かを取り上げている。

3.人のウイルスはどこから来たか?
当初ウイルスは他の動物に感染し、動物伝いで感染を繰り返していった。そのウイルスが人に受け継がれたのは農耕・牧畜が社会に根付いてからのことである。そこから人に対して感染するウイルスも誕生していった。

4.生物界を動きまわるウイルス
ウイルスは動物に異変させるような部分もあるのだが、時として動物を殺すウイルスもある。そのようなウイルスが誕生したきっかけ、そして海の生物から陸の生物にかけて感染していった経緯について取り上げている。

5.病原体だけではないウイルスの意外な役割
ウイルスというと病原体のことを表しているように思えてならなかったのだが、本章で取り上げるウイルスは危害を与えるよりも生物の役割の助けとなるウイルスを紹介している。主にハチやウミウシの助けやヒトの進化の助けになった役割を持つウイルスを取り上げている。

6.病気を治すウイルスの利用
ウイルスの中には病気を治す役割を持つようなものも存在する。最新の医療の中にもウイルスでもってガンを退治するというようなものもある。そのことを考えると「毒を以て毒を制す」を体現したような形なのかもしれない。

7.広大なウイルスの世界
地球上にはおびただしいほどの種類・量のウイルスが存在する。しかしその全てに害を及ぼすような役割を持つだけでなく、地球において欠かせないウイルスまで存在する。そのめくるめくウイルスの世界とはどのようなものかを取り上げている。

本書を読んでいくとウイルスもまた欠かせないものと言えるのかもしれない。とはいえウイルスるの多くは害を及ぼすため、それをいかにして回避していくか指し示している。