MONTH

2017年5月

日本一小さな農業高校の学校づくり――愛農高校、校舎たてかえ顛末記

三重県伊賀市にとある小さな高校がある。その名も「学校法人 愛農学園農業高等学校」であり、木造づくりの高校で、全寮制であり、本格的に農業関連の仕事につきたい方々のための農業高校である。その農業高校は比較的新しい高校であり、なおかつ農業高校と名の冠する高校では全国唯一の私立農業高校である。なぜ農業高校をつくったのか、その農業高校で何を学び、どういった人を輩出していったのか、本書はそのことを取り上げてい […]

ギンイロノウタ

ミステリー小説の中で殺人事件が多くあるのだが、これほどまでに残酷な殺人がある作品は見たことがない。しかもその「残酷」さは殺人事件の現場ではなく、むしろその殺人を行った人の「殺意」にまで及んでいる。もっとも殺意が自閉症傾向などの境遇や性格からか、限りなく歪なものになり、そのいびつさがミステリーの要素に深みを加えている。 登場人物、それも殺人犯の性格の歪さが今までのミステリー作品とは一線を画しているこ […]

沸騰! 図書館―100万人が訪れた驚きのハコモノ

著者は今でこそいくつもの会社を起業・経営する実業家だが、かつては佐賀県武雄市の市長として様々な改革を行った。斬新な発言・手法で賛否両論を呼び起こしたのだが、まさに「革新的」と呼ばれている主張だった。その賛否両論と呼ばれるようなことは以前当ブログにてとりあげた「首長パンチ」でも書かれていたのだが、どんなに叩かれてもめげずに、ひたむきに改革に挑む姿があった。その産物の一つとして「武雄市図書館」があった […]

やきとりと日本人 屋台から星付きまで

居酒屋の料理の代表格の一つとして「やきとり」がある。もっともやきとりは居酒屋に限らず子供にも人気があり、鶏肉を焼いた美味しさが魅力的である。私自身も酒を飲む・飲まないにかかわらず、やきとりを食べることがあり、最近ではコンビニのホットスナックのコーナーでも売られており、食べることがある。その「やきとり」の文化はいつ頃からできたのか、そしてどのようにして発展していったのか、そのことを分析している。 第 […]

どんぶらこ

本書のタイトルを想像するに桃太郎が桃から生まれる前の桃が川に流れるときに出てくる音を表しているのだが、本書はその「流れる音」をあたかも人生のように表している。 しかし「どんぶらこ」と流れる音は一瞬であり、その一瞬の中で殺人事件が起こり、その「鬼」と呼ばれる犯人を追うというような作品である。 その流れがいかにも「桃太郎」のような雰囲気を持つのだが、その流れの中は「桃太郎」で語ることができるほど、簡素 […]

居酒屋の戦後史

居酒屋と言うともはや酒好きの方々にとっては憩いの場でもあるのだが、近年は「飲み放題」というのが主流であり数時間の間で酒を飲みながら料理に舌鼓を打つといったことができる。しかし最近では酒規制が世界的に起こっており、飲み放題の文化も脅かそうとしている。 そこで少し考えておきたいのが、元々居酒屋はどのような歴史をたどっていったのか、そのことについて考えておく必要がある。日本に居酒屋の文化を根付いたのはい […]

恐山―死者のいる場所

青森県の下北半島には有名な山がある。その名も「恐山」であり、「イタコ」が礼を呼び寄せる、あるいは死者のいる山であるようなイメージが強くある。もっとも恐山はどのような山なのか、どのようにして「死者」のイメージを結びつかせるようなこととなったのか、本書はそのことを取り上げている。 第一章「恐山夜話」 恐山は観光名所と言うよりも「死者の場所」として知られており、観光でも訪れるのかと言うとそういったイメー […]

誓います――結婚できない僕と彼氏が学んだ結婚の意味

結婚式の舞台では愛を誓う場面がある。洋式ではほぼ必ず問われ答えるようになる。しかしながら最近では離婚・再婚率も増えており、永遠の誓いどころか結婚式の誓いは「一時の誓い」でしかないように思えてならない。 また結婚のあり方も変わってきており、最近では内縁の妻・夫といった「事実婚」もあれば、同じ性別同士で結婚する「同性婚」がある。いずれも法律的に「結婚」と認められてないが、堂々と結婚しているようにふるま […]

そろそろ、部活のこれからを話しませんか 未来のための部活講義

私自身中学・高校と吹奏楽部だった。特に高校は全国的に有名な高校だったことからありとあらゆるものを犠牲にして部活にのめりこんだことを今でも覚えている。その中で普段ではありえないような体験をすることができ、今の自分の一部人もなっている。 しかしながら今日の部活では過酷ばかりが先行し過ぎて本当の意味での「教育」となっているのか、その負の面が表立っているようなように思えてならない。その部活は今岐路に立たさ […]

僕とおじさんの朝ごはん

やる気のないようなときはいろいろとあるのだが、その中でどのようにしてやる気を出していくのかがカギとなるのだが、ひょんなことからやる気を出すきっかけづくりとなることができる。 本書は無気力なおじさんがある少年との出会いによって人生が大きく変わっていくこととなった。その無気力状態だった要因とは何か、そして変わったことによってどのような自分を見出してきたのか、そのことを描いている。 本書を読んで思ったこ […]