カード・ウォッチャー

「カード」と言うとクレジットカードやプリペイドカードのイメージがあるのだが、実際には「タイムカード」である。もちろんタイムカードは出勤・退勤時間を数字で表しているのだが、そのタイムカードを巡って労災がお子合ったことから物語が始まる。

もっとも「カード・ウォッチャー」は造語ではなく、労働基準監督官のことを指し、タイムカードの打刻や勤務実態を調査する方のことを本書では定義している(本書の帯にも書いているのだが、あくまで本書の上での定義なので実際とは異なる場合がある)。

その監督官と企業側、そして労働者との関係の変化がとあるミステリーを生み出すこととなる。もっとも創作ではあるものの、実際にも同様の事件が起こっており、決して企業労働者にとって他人事ではない事柄である。そのこともあり、本書は現状とはかけ離れていながらももしも自分がそうなってしまったらを考えてしまう一冊であった。

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