しない生活 煩悩を静める108のお稽古

最近は色々とやることが多くなった。もっともやることを潰していくと、その後にはまたやることが生まれていく。そのことからやることが雪だるまのように増えていき、パンクすることも時々ある。自分自身が仕事好きという困った体質なのかも知れないのだが、最近では限界を感じ始めている。

そこで本書である。私に限らずとも、やらなければいけないこと、やりたいことが数多くある中で「しない」ことをいくつもあげている。もちろんビジネスの世界でも「Not To Doリストをつくる」と言ったものがあるのだが、本書はあくまで「人生」や「生き方」のうえでしないことを取り上げている。

第一章「つながりすぎない」
人はつながりを持つ必要がある。そのつながりを持っていないと立ちゆかないのだが、だからといってつくりすぎてしまったり、つながりかたを間違えてしまうと思いも寄らぬ精神的な病を患ってしまうこともあり得る。そのためつながりを求めるのは良いのだが、ある程度つながりを持つことができたら、今度は整理し続けることが大切になる。

第二章「イライラしない」
人間には様々な感情がある。感情の中には「イライラ」と言った良からぬ感情もある。その感情は負の連鎖を起こすこともあり得る。もちろんイライラしないのが良いのだが、どうしてもイライラを起こしてしまうこともある。そのイライラを解消するために、防ぐためにはどうしたら良いのか、そこには「煩悩」を沈める部分があるという。

第三章「言い訳しない」
人によるのだが悪いことがあると他人のせいにするような人、あるいは逃げ口上のようなことを言う人もいる。言い訳をしたり、言い逃れをしたりする人もいるのだが、もっともそういったことをする人は自分自身を成長することはできない。その言い訳をさせないためにはどうしたら良いのか、その処世術を取り上げている。

第四章「せかさない」
何かとスピードが求められる時代であるのだが、そのスピードを求めすぎてしまうことによって見える者も見えなくなってしまう。もっとも「急いては事をし損じる」ということわざがあるように、重要なことを見逃したり、行い損じたりするようなことがある。それを逃さないために「せかさない」ことは重要な要素である。

第五章「比べない」
私自身他人と比べたがってしまう性質にある。もちろん比べることによってライバルができ、成長するのだが、土が過ぎしまうと思わぬプレッシャーに苛まれ、パフォーマンスも落ちてしまう。必要以上に比べないためにはそれを意識すべきであるのだが、細かいところでどのように行ったら良いのかを伝授している。

本書は人生において「しない」ことをまとめているのだが、本書で取り上げているお稽古の多くはビジネスに転化することができる。もしもあなたが心が疲れたとき、煩悩に苛まれたとき、あるいはいくらかの悩みを抱えている時にその解決の糸口となるものが本書にある。