双子は驢馬に跨がって

森の中にあるペンションで織りなす物語である。もっともそのペンションに監禁される親子がある人物を待ち続けた。その人物はなんとも奇妙で、「驢馬(ロバ)」に跨がった双子であるという。

もちろん監禁された不条理の中で実際に双子の救世主はやってくるのだが、そのやってくる赤で双子はどのような道を進んでいったのか、そして驢馬との関わりはどうだったのかが描かれている。

本書を読んでいくだけでもあらすじに描くのは難しいのかも知れないのだが、実際に読んでみると親子や家族の寂しさや愛、そしてやりとりの美しさがそこにはあった。しかしながら色々ある小説の中でももっともストーリーが分かりづらかった一冊とも言える。その「分かりづらさ」が一種のシュールさを醸している要素とも言える。