心臓に針を

人間としての「生」と「死」。それは人それぞれの思想の根底にある。最近では道徳や人間的な授業として「デス・エデュケーション」「死の準備授業」と呼ばれる「死」に関して考える内容が一部の学校でも取り上げられ、なおかつ書籍や動画でも取り上げられている。

本書はそれとは毛並みが異なる。それはとある病院の経営者であり、美容外科医の人物が、自ら封印していた過去を呼び起こす出来事があった。その過去には悲劇的なものが多く、なおかつ人間不信に陥りそうなエピソードが並ぶ。

また本書は医療小説と呼ばれる分類に入るのかも知れない。過去に何冊か取り上げているが「尊厳死」にまつわる所にも言及している。自ら「死」を選ぶかどうか、それもまた生前の中で決める、いわゆる「終活」と呼ばれる活動の一環としても行う。本書は人の生と死と、自らどのような「死」を選ぶか、そのことについて考えさせられる一冊であった。

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