文芸・評論

書評

飛行士と東京の雨の森

東京を舞台にしていながら東京独特の喧噪から外れた所にいるような感覚に陥る。それでいてダークかつ寂しさのあふれる様な作品であった。 東京は日本で最も人口が密集した所であるが、心までも近いかと言われるとそうではなく、あくまで「他人」という意識で...
書評

民話の森の歩きかた

「民話」と言うと聞き慣れない人あ多いのかもしれない。しかし「童話」と聞けば子供の頃に親しんだことを思い出す。 しかしこの「童話」も元々民衆の中で伝わった話、いわゆる「民話」の形で今日親しまれている。 本書はその民話のなかから「シンデレラ」や...
書評

銀河に口笛

自分自身が振れたことのない雰囲気を醸している。自分自身も昭和の生まれではあるが、物心がついた頃は平成に入っていたため、その「昭和の雰囲気」がいったい何だったのだろうかわからない。今の30代~40代が子供の時、何をして遊んでいたのか、漫画や本...
スポンサーリンク
書評

タイガーズ・ワイフ

一言で言えば「虎の嫁」と言える作品。「嫁」とはいっても年端のいかない少女のことであり、虎と心が通じるからそう呼ばれたのだという。 本書は紛争の戦禍により被害を受けた動物園も舞台の一つとなっている。その紛争の描写はあまりにも生々しいのだが、事...
エッセイ

もえいぬ~正しいオタクになるために

「下妻物語」や「ロリヰタ」など少女小説を数多く上梓し、いつしか「乙女のカリスマ」と呼ばれた嶽本氏、その嶽本氏が自ら「オタク」と公言し、オタクの変遷をエッセイにてさらけ出している。さらに「オタク」ではなく「ヲタク」としての自分を投影しながら「...
ミステリー

青春俳句講座 初桜

みなさんは「俳句」はどのようなイメージを持たれているのだろうか。 ・ある人は「古くさい」「ご年輩の方々の楽しみ」という考えを持つもの、 ・あるいは「おもしろい」「言葉遊びができる」 という人もいる。前者は偏見であり、後者はある意味合っている...
文芸・評論

いい奴じゃん

多くの新入社員は研修が終わり、いよいよ本当の意味で社会人人生のスタートである。大いなる社会の荒波に揉まれて図太くもあり、強く生きることが求められる時代である。 その一方で、「ロストジェネレーション(通称:ロスジェネ)」と呼ばれる世代はバブル...
書評

望月青果店

「ふるさとは 遠きにありて 思ふもの(室生犀星)」 仕事などの理由により、故郷から離れた場所で生活をしていてもその記憶は残っている。イヤな思いでがあって「故郷を捨てる」ことがあったとしても、頭の片隅にきっと残っている。そしてその故郷に帰ると...
書評

ワークソング

「労働者のための歌」なのか、それとも「労働のことを歌う歌」なのか。辞書によってはまばらであるが、多くは「作業歌」や「労働歌」という意味である。酒造りや工場、あるいは「蒲田行進曲」のように映画撮影所(松竹蒲田撮影所のこと)のことを歌う、いわゆ...
書評

女後継者―ストーミー・ペトラルの幸せ

「女は度胸」とも言い、「女は愛嬌」とも言う。 正しいことわざとしては「男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経」と言われているが、最初に記しているようなことでも「言葉の意味」としてではなく、本書にでてくる女性の後継者たちの「生きざま」がそう言っている...
スポンサーリンク