文芸・評論

書評

月の小屋

「女性・38歳」 人それぞれであることを前置きしておくが、ある人は専業主婦で子だからに恵まれ、ある人はお局様、あるいはバリバリのキャリアウーマンとして仕事の世界にのめり込む。不惑にも近い年齢であり、人生に対する「迷い」も思春期に比べると無く...
書評

ルームシェア・ストーリー

「ルームシェア」 あまり聞きなれないがそういったことは日本でも行われている。いわゆる「共同部屋」のことであるが、アパートやマンションなどでそういったことがあることは自分自身もその体験をしていないからあまり理解ができない。 私事はさておき、本...
書評

愛しいひと

もしもあなたがもっとも愛する人が、ある日突然消えてしまったらどうなるのか。 そもそも、あなたの「愛しい人」とはいったい誰なのか、と言うのも考える必要がある。 その「愛しい人」が突然いなくなり、音信不通になり、それが半年以上の月日がたったら・...
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書評

空色バトン

本書は「別冊文藝春秋」という雑誌の2010年5月号から2011年3月号までの分を収録した短編集である。 普通短編集は様々な主人公がそれぞれのストーリーを描くため、「一粒で何度も美味しい」というのが多く、そのたびに当ブログでは全体、というより...
書評

ココロ医者、ホンを診る―本のカルテ10年分から

精神科医の観点から本を「診る」、というのもユニークである。本書の著者である小西氏は10年以上も前から毎日新聞の「毎日の本棚」欄にて書評を書き続けた。その書評のヴァリエーションは著者の専門である医学のみならず、小説や雑学に至るまで幅広く、難易...
戯曲・詩

花の冠 ~ 震災から一年、今も咲き続ける絆と言う名の「花」

―2011年3月11日 14時46分 日本全土が揺れ、東北で大津波に遭い、多くの命が失われ、家々も失った。 「安全」といわれた原発もメルトダウンを起こし、故郷を失った人々もいる。 地震や津波、それはありとあらゆるものを失ってしまう。 その失...
戯曲・詩

海の石

彼女は「石」のように何も動くことができなかった。 そう、筆談に出会うときまでは。 未熟児として生まれ、様々な病を併発し、命の淵に立たされ続けた。 しかし、筆談に出会ってから、かすかな光が見えた。 暗闇の海に見える、一筋の光のように。 病床の...
書評

何度でも君に温かいココアを

季節は春になりつつあり、寒さも和らいでいくが、ついこの間、真冬に逆戻り。東京では雪が積もるほどだった。まだまだ寒い今日この頃は温かい飲み物がよく似合う。 ちょうどこの書評をしていた時、奇遇にもそのときに飲んでいたのが温かいココア。チョコレー...
時代

醜聞の作法

「醜聞」とは何か。辞書で調べてみると、 「その人の名誉や人格を傷つけるような、よくないうわさ。男女関係や金銭に関する評判など。スキャンダル。」(goo辞書より) 名誉毀損や人格否定などをするような醜聞は現在でも起こっており、とりわけネットで...
時代

南海の翼 ─長宗我部元親正伝

戦国時代には全国的に数多くの大名が生まれた。北から順に伊達政宗、上杉健信、武田信玄、徳川家康、今川義元、織田信長、豊臣秀吉と枚挙を挙げるだけでも暇がないほどである。 本書は土佐藩の盟主、長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)であるが、私は僭越...
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