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音楽

永遠の仮眠

本書の中身に入っていく前に、本書の著者の話を行う必要がある。著者は小説家としてのデビュー作が本書であるのだが、そもそも著者自身が昨今のJ-POPや歌謡曲などのプロデューサー、さらには作詞・作曲家、音楽評論など、音楽畑で長らく活躍を行ってきた。その著者が初めて音楽以外の分野にて「小説」として刊行した。 ちなみに本書は著者の音楽人生の部分の中で描いた一冊である。よくテレビドラマにも「主題歌」があり、そ […]

教養として学んでおきたいクラシック音楽

すでに管理人紹介を含め、いくつもの書評でも言及したのだが、私は中学・高校と吹奏楽出身で、大学は室内管弦楽団に入り、音楽にどっぷりの毎日だった。社会人になって楽器を演奏することはなくなったのだが、それでも学生時代の名残からか、趣味程度であるが、クラシック音楽や吹奏楽を聴くことはけっこうある。 もっともクラシック音楽は演奏する楽団・指揮者によっても傾向・解釈が異なるため、その部分での面白味もあるのだが […]

ジャスト・ライク・ヘヴン―ヴェルノン・クロニクル2

本書はサブタイトルにもあるように「ヴェルノン・クロニクル」と呼ばれるシリーズで3部作あり、本書はその2作品目にあたる。 元々このシリーズは主人公であるヴェルノン・シュビュテックスを主人公を基軸に物語が展開されている特徴があり、ヴェルノンとその周りの人々、さらにはかつてのヴェルノンを知る人物など、様々な人物が織りなしている。またフランスそのものの市井も描かれており、フランスの情景を知ると言うにも格好 […]

ムシカ 鎮虫譜

何とも不思議なタイトルである。本書には「虫」といった要素もあれば、ラテン語やイタリア語における「音楽」を意味する「ムジカ(Música)」という意味をなしている。その2つの要素を合わせてタイトル付けているのも面白味がある。 本書の主人公は音大の同級生グループがスランプ脱出のためにとある無人島へと訪れた。しかしその無人島には音楽の神が祀られていると呼ばれる島があるのだが、虫の大群だった。「ムジカ(M […]

2010s

本書を読んでいくと、「もうそんな時代なのか」と思ってしまう。2010年代が終わり、2020年代に入ってきたのだが、こういうときだからでこそ「2010年代はどのような年だったのか?」を振り返るというものである。とはいえど、複雑な要因もあるため、検証自体も時間がかかり、なおかつありとあらゆる角度から考察を行う必要があるため、一概には言えない。しかし本書では「文化」、それも映像や歌などの「ポップ・カルチ […]

クラシック音楽とアマチュア

元々私自身、中学・高校と吹奏楽を、大学ではオーケストラで演奏していた。その名残もあってか、趣味にはクラシックや吹奏楽を中心とした音楽鑑賞がある。 私事はさておき、本書で取り上げる「アマチュア」はアマチュアで活躍する演奏者のことを指している。本書はアマチュアとプロの違いよりも、音楽史における「アマチュア」はどのような立ち位置に変わっていったのか、そのことについて取り上げている。 第1章「コベットの生 […]

クモの糸でバイオリン

見るからに、ものすごくチャレンジングなタイトルである。もっともクモの糸というと、クモの巣を築いていく上での固い糸もあれば、餌を捕まえるためのねばねばとした糸などがある。大方前者の糸が該当するイメージだが、どのようにしてバイオリンを作ったのか、そして蜘蛛の糸をどのような構造なのかも絡めて取り上げている。 1.「クモのことをもっと知りたい」 クモにもいろいろな種類がある。さらにいうとそのクモが織りなす […]

ミート・ザ・ジャンパーズ!

「青春」と言う言葉は若い人の特権ではなく、中年だけでなく、高齢者もまた青春にひた走る方々もいる。とはいえど青春に走るなかでも体力が必要とされることがあり、その体力について行けないようなことも往々にしてあるのかもしれない。 そこで本書である。本書は音楽の道を捨てきれず、武道館を目指す大人たちを取り上げているのだが、なんと「平均年齢70歳」に届くかどうかのバンドである。しかも夢はメジャーデビューと日本 […]

山本直純と小澤征爾

本書のタイトルの2人はともに斎藤秀雄に師事し、同じ指揮教室に同期で通い、そこから同じ指揮者として大成していくのかと思いきや、方や世界的な指揮者になったが、方や日本に残りテレビや映画音楽に貢献した。 その2人の関係性と相違点、そしてその人生の歩みについて取り上げているのが本書である。 第一章「齋藤秀雄指揮教室(1932~1958)」 山本直純が生誕したのは1932年、小澤征爾が生誕したのは1935年 […]

タンゴと日本人

「タンゴ」はポルトガルやスペインなどの「イベリア半島」にて発祥した舞曲のリズムであるのだが、日本では主に「社交ダンス」にて取り上げられることが多い。演奏形態も異なるとは言え、多岐にわたる進化を遂げて、日本にやってきて、定着していったのだが、そもそもタンゴの起源から、日本へ伝来した経緯、さらには日本においてタンゴを発展させた人物について取り上げているのが本書である。 第1章「タンゴの起源と日本への到 […]