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天皇

ワカタケル

ヤマトタケルの物語の中に「ワカタケル」という人物が出ている。2012年に上演されたスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」でも、現在活躍している五代目市川團子の初舞台のためにワカタケルを配役をつくったのは有名な話である。 そもそも「ワカタケル」は実在しないのかというとそうでなく、古事記の中に名称「大長谷若建」の中の「若建」の読みが「ワカタケル」と読むことができる。 実際にそのワカタケルの通称として用いられた […]

藤原仲麻呂-古代王権を動かした異能の政治家

日本には生前、もしくは没後に位階とよばれる位に叙勲されることが多い。もちろん功績などのことが考慮されるケースもあるのだが、その功績の中で最高の位として「正一位(しょういちい)」がある。実際に正一位に授与された人は何人かいるのだが、ほとんどが没後叙勲で中には没後数百年してやっと授与された人もいる(織田信長や豊臣秀吉がその一例)。しかしこの正一位の没後叙勲でさえここ100年以上授与がなく、もっと言うと […]

古代日本の官僚―天皇に仕えた怠惰な面々

「官僚」と言うとかつては槍玉に挙げられる代表格としてあったが、現在は日本の根幹を支える部分、もといブラック企業の代表格というイメージもある。 「官僚」というと明治時代に今のような「議会」などの政府が作られたときから生まれたのかと思いきや、実は古代から天皇に使えていた方々が「官僚」と呼ばれていた。とはいえ官僚の中には貴族などの上級官僚もあれば、その下の下級官僚も存在した。中でも下級官僚は朝廷や天皇に […]

小泉信三―天皇の師として、自由主義者として

本書で取り上げる小泉信三は経済学者であり、本書のサブタイトルにもある「天皇の師」でもあった。その「天皇」は現在の上皇陛下であり、戦後間もない時に教育掛となった経緯がある。こちらの詳細については第4章で詳しく述べることにするのだが、経済学者として、上皇陛下の教育掛として活躍した小泉信三の生涯を評伝として取り上げたのが本書である。 第1章「父と修学時代」 小泉信三の父は小泉信吉(こいずみのぶきち)であ […]

かみさまのおはなし

日本神話としての物語はいくつもあるのだが、その中でも最も有名なものとして「古事記」がある。神話を取り上げているのだが、それと同時に「日本最古の歴史書」として挙げられることが多く、奈良時代になったばかりの712年につくられたと推定される。 その「古事記」における話について子どもたちへ親しめるため、絵本に仕立てた一冊であり、元々は1940年に出版された「カミサマノオハナシ」を現在にあわせて復刻した一冊 […]

昭和天皇のごはん

明日4月29日は「昭和の日」である。この日はかつて「みどりの日」と呼ばれ、昭和の頃には「天皇誕生日」と呼ばれた。 そう、4月29日は昭和天皇の誕生日である。昭和天皇は1901年4月29日にご生誕し、1989年に1月7日に崩御された。 昭和天皇が生誕し、来年でちょうど115年になるが、昨年8月には昭和天皇の公式記録となる「昭和天皇実録」が刊行され、現時点で第一巻と第二巻が市販されている。 その「昭和 […]

神々と肉食の古代史

昨今では当たり前のようにハンバーガーやステーキなど肉を食べる機会が多いのだが、元々奈良時代に聖武天皇が「肉食の禁」が出て、開国を機に解かれるまでは長らく牛肉・豚肉などは食べられなかった。そのことからか兎の肉を食べるときに、兎の耳の部分が鳥の羽と似せられていることから数え方が「匹」ではなく、「羽」と数えられた逸話も存在する。 それはさておき、聖武天皇が肉食の禁を出す以前はごく普通に肉も食べられていた […]

皇族と帝国陸海軍

帝国陸海軍(日本軍)にはかつて皇族が在籍しており、中には元帥までなったものもいた。そもそも大日本帝国憲法には天皇は「大元帥」として全軍を統べていた一方で、昭和天皇は天皇になる以前は陸軍に属しており、少佐までなったのだという。 本書は天皇をはじめとした皇族はなぜ帝国陸海軍に入ったのか、誰がいたのか、そして明治~昭和までいくつかあった戦争に対し、いかにして関わっていったのかを考察した一冊である。 第一 […]

天皇霊と皇位継承儀礼

皇室典範問題は秋篠宮親王から悠人親王がご誕生したことにより、TVや新聞などのメディアでは取り上げられる機会が少なくなったのだが、近年では愛子様の問題もあり皇室問題が再燃化している。また漫画家の小林よしのり氏が「ゴーマニズム宣言 天皇論」を刊行したことにより皇室典範にまつわる議論が活発化した。民主党主権内では普天間基地問題、さらには予算などにより皇室典範が二の次におかれているような状況に陥っている。 […]

菊の御紋章と火炎ビン―「ひめゆりの塔」「伊勢神宮」が燃えた「昭和50年」

「ひめゆりの塔」というと沖縄戦、とりわけ終戦前の激戦地、さらには日本領土の数少ない戦場でもあった。その中での戦争の悲しみやいざこざが起き、今でも歴史認識問題により、大江健三郎の「沖縄ノート」問題、「戦陣訓」の一文を守り通すための自殺の強要というのが叫ばれ、訴訟にまでなったのは記憶に新しい。沖縄戦は非常にナーバスな問題の一つであり、私自身もあまりよくわからないところが多いのでこれから学ぶべきものの一 […]