本書はトヨタ技術オリンピックでNo.1を獲得した男の物語である。トヨタと言えば最近ではリコール問題でアメリカや日本、中国で批判の的にさらされている。また100年に1度の不況により約半世紀ぶりに営業損益が赤字転落を喫してしまった。
「世界のトヨタ」と呼ばれる地位が失墜する中、かんばん方式や「5回のなぜ」など様々な手法を生み出し、それが自動車業界シェア世界一にこぎつけた原動力と言っても過言ではない。
ちなみに本書のカバーを見ると「もしドラ」にかなりにているように思えるのだが、中身は著者自身の生い立ちと技術オリンピックNo.1に至るまでの実話の構成になっている。私たちの知らないトヨタの中身とそこで情熱を燃やした著者がいかに成長を遂げてきたのかがよくわかる。
整備工場の現場のなかでいじめや先輩の罵倒にもめげず、さらには色弱障害といったハンデも乗り越えていった男の姿がそこにはあった。
本書はおそらく自らの出来事や学んだことをありのままに書かれていると思う。そうでなければ、これほどあたかも自分事であるかのように錯覚させられる作品はなかった。
本書はそのトヨタの自動車工場から様々なことを学ぶことができたのだが、これらのことはビジネスに関しても、人生に関しても学ぶことができる。
まるで一つのレースで人生を学んでいるかのように、あっという間に読むことができ、あっという間に学ぶことのできる、そんな一冊である。
コメント
実話だからでしょうか。
楽しくどんどん読めましたね。
>本のソムリエさん。
遅くなりまして申し訳ありません。
コメントありがとうございます。
実話で書かれていて、学べるエッセンスもたくさんあったので感動と実りを同時に得られました。
読みやすいというよりも、読んでいくうちにだんだんハマってしまう一冊でした。