プロ野球審判 ジャッジの舞台裏

プロ野球も交流戦、オールスター戦が終わり、後半戦に突入した。これからクライマックスシリーズに向かって優勝やクライマックスシリーズ進出に向けて激しい戦いが続くことになる。特にセ・リーグではほぼダンゴ状態で、どこの球団が優勝しても、クライマックスシリーズ進出してもおかしくないような状況にある。そのため目が離せないといえる。

今回はそんなプロ野球を陰から支える「審判」の世界にスポットライトを当ててみたいと思う。審判の世界から見たプロ野球界はどのような世界なのか、そしてその方々から見た名選手はどのような選手で、どういったところに魅力があるのか、本書はそのことについて自らの審判員人生とともに綴っている。

Ⅰ.「名選手列伝」
プロ野球界には「名選手」と呼ばれる人物は投手・野手・打者などジャンルは異なるものの、存在する。本書にて取り上げられている選手として松坂大輔・ダルビッシュ有・田中将大・イチロー・野茂英雄・桑田真澄・清原和博・木村拓也・山崎武司などありとあらゆるジャンルの名選手について紹介するとともに、なぜ彼らが名選手なのか、その理由について取り上げている。

Ⅱ.「奥深き判定の世界」
審判の判定を行うこと自体人間が行う。そこにはミス(誤審)も存在するのだが、それをいかに減らし、なおかつ平等な審判を行うことができるか、審判としての技量が試される。その技量が試されるような判定があったことも著者自身、数多くあっという。
本章ではジャッジの仕事はもちろんのこと、ジャッジにかかる重圧、そしてジャッジに対して求められるものについて解説しつつ、ジャッジの醍醐味についても延べられている。そしてほかにも戦術の「誤審」についても言及しつつ、監督・選手に対する抗議の対処についても取り上げられている。

Ⅲ.「クロスプレーで生きてきた」
元々著者はプロ野球選手を夢見て野球一筋の人生を送っていた。それが生まれたてから大学に入るまでのことで、大学に入ってから自分の実力を悟り、プロ野球選手になる事を断念した。しかし野球の世界にいることはあきらめきれず、マスコミの野球担当記者を志したのだが、そこでも野球現場に行くことを諦めきれず、審判の道を歩むことになった。その審判の道も順風満帆ではなかった。審判の世界でもプロ野球選手のごとく「一軍」「二軍」があり、一軍になかなか進めなかったり、二軍に落ちたりするようなこともあったという。しかしそれでも一軍の審判を志しながら、常に完璧な審判を求め続けた。もちろんトラブルや誤審があり、時にはクビの危機もあった。それでもなおひたむきに審判を続け2010年のシーズンオフに審判生活にピリオドを打った。

著者は現在「審判技術委員」として後進の育成に励んでいる。スポットライトのよく当たるプロ野球選手でも、「二軍落ち」や「解雇(戦力外通告)」と隣り合わせの世界である。それは審判の世界でも同じである。しかしその審判でもプロ野球選手以上に神経をすり減らすような事は多々ある。本書はあまり知られていない審判の世界を知るとともに、審判の野球人生がすべて綴られている一冊である。

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