情け深くあれ―戦国医生物語


医師(いし・くすし)の仕事はかねてから病気を治すことに特化した仕事である。そういった役割は今も昔も変わりない。

さて本書であるのだが、戦国時代における若い医師の物語である。その若い医師は元々武士だったのだが、ある「別れ」によって、医学中興の祖である人に弟子入りし、医術の修行を進めていく。もちろんその時は戦が激化の最中で、至るころで混乱を極めた。しかしその混乱の中で患者たち、そして師匠とふれあいの中で「医師とは何か?」「慈仁とは何か?」を問い続ける。

時代小説でありながら、医療の本質をついている部分があり、なおかつ現在ではほとんどなくなった人とのかかわり合いがよく描かれている。サクセスストーリーのように見えながらも、挫折もあり、それでいて医師としての成長もある。この時代の医師の事情は本書を通じて見られるのは氷山の一角であるのだが、それでも今と戦国時代の医師の違いがよくわかる。

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