グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略

ハーバード・ビジネスの本はいくつか紹介してきたが、本書はブログなどのソーシャルテクノロジーを使っての企業戦略について書かれている。ブログ戦略に関してはこう言った本もこのような本もあるのだが、本書は前述のようにハーバード・ビジネスであるので企業視点の戦略であるので、当ブログのような個人ブログでは関係ないのではないかと思うかもしれないがもしかしたら当ブログにも関連するところがあるのではないかと思い本書を手に取った。

第一部「グランズウェルを理解する」
本書では目が痛くなるほど「グランズウェル」という用語が出てくる。ではこの「グランズウェル」について用語を解説しよう。

「グランズウェルとは社会動向であり、人々がテクノロジーを使って、自分が必要としているものを企業などの伝統的組織ではなく、お互いから調達するようになっていることを指す」(p.13より)

つまり「グランズウェル」は社会が動かしているものであり、自分一人では動かすことができない。これをサーフィンのようにどのようにして載るのかというのが本書の狙いであろう。「大きなうねり」と言っているくらいだから。このグランズウェルをどうやってとらえるのか。本書ではソーシャルテクノロジーと言われていることからブログやSNS、ウィキペディアやRSSなどと言ったものが挙げられる。

第二部「グランズウェルを活用する」
さてこの「グランズウェル」をどのようにとらえ、どのようにして活用していくのかに入ってくる。ここでしきりに出てくるのは「話をする」「聞く」と言ったことである。パソコンを介しているからそうのはないのではないかと思うかもしれないが、ブログにおいても投稿したりコメントしたりと「会話している」。企業も広告媒体としてブログを用いることができ、新刊を持っている人にとっては私の本がこのブログで取り上げられましたというようなことだってできる。

第三部「グランズウェルで変革を促す」
ここではグランズウェルで成功した企業を中心に書かれているが失敗例も書かれている。ほとんどの本では成功例ばかり取り上げられているがこういった失敗例というものも教訓として見ておいたほうがいい。最後には「グランズウェル的思考」が取り上げられていたのでここで紹介する(pp.329-331より)。

1.「グランズウェルでは、すべてが「人対人」であることを忘れない」
2.「良い聞き手になる」
3.「辛抱強くあれ」
4.「好機を待つ」
5.「柔軟であれ」
6.「協力する」
7.「謙虚であれ」

ブログに限らずこういったことはほとんど「当たり前」のことである。だがこれに気づいている人(もしくはブロガー)は少ない。こういったことを根底に本書で書かれていることを実践するのもよし、私のように独自の考えで運営するのもよしである。ブログは無限の可能性を秘めている。その力をどのように動かし、最後には自分が何をしていきたいのかというベクトルに持っていく。そして最後は3.に似ているのだが「続けること」が大事になってくる。

最後に余談であるが私がいつも愛読しているブログにsmoothさんの「マインドマップ的読書感想文」があるが、この記事において、Z会の寺西氏が「ウェブをやっている人なら常識な本」と言っていた。

常識であったのなら、私ももう1回読んだ方がいいかもしれない。まだまだつかみきれていないところがあるはずだから。