マダム由美子の凛とした生き方

みなさんは「マナー」についてどれだけ挙げることができるだろうか。社会人であれば、新人の時に「ビジネスマナー」を学ぶ機会が必ずと言ってもいいほどある。

本書はバレエを基に「凛とした」人になるためにはどのようなたち振る舞いを行えばよいのかについて伝授している。昨年のセミナーにて、女性は「マリー・アントワネット」、男性は「ルイ14世」を例に挙げている。

ルイ14世と言えば、フランスを強国にした立役者の一人であるが、妻がイタリアからバレエを取り入れたことにより、彼もバレエを学んだ一人と言われている。ルイ14世がフランス王に即位する前、アンリ2世の時に、王妃からバレエが持ち込まれた。ルイ14世即位時には5時間に及ぶバレエが催された。ルイ14世もバレエに魅せられた一人であり、「王立舞踏アカデミー」というバレエなどのダンスを学ぶ学校を創立した。余談であるが、ルイ14世の異名「太陽王」はバレエから名付けられた。またハイヒールもルイ14世は好み、奨励したとしている。現在では女性の靴として挙げられているが、当時は男女問わず履かれていた。
話は変わるが著者のマダム由美子氏はこれまで女性の振る舞いに関して書かれている本が中心である。本書も女性中心に書かれているが、男性にとっても前述の「ルイ14世」のような振る舞いを想像して「凛」とした生き方について学べる一冊である。

PART1「外見を磨く〜外見美の3つの大原則」
まずは「外見」である。この外見美をつくるためには3つの原則があるという。挙げてみると
・「軸」
・「対称」
・「バランス・ライン」
がある。座り方から立ち振る舞い、ものの持ち方、手や足の動かし方に至るまで、「凛」とした動きについて学べる。毎日一つ一つ、マスターしていけるよう、PARTの最後には発見リストもついている。

PART2「内面を磨く〜内面美の3つの大原則」
内面は自分自身で磨きやすくても、どこが美しいのかなかなか見えにくい。ここでも3つの原則がある。
・「思いこみ」
・「心地よさ」
・「審美」
がキーワードとなる。内面を磨きたいと考えると、「コンプレックス」を直す、「正直」になる、というのが挙げられる。

PART3「ライフスタイルを磨く〜美生活の3つの大原則」
いよいよ最後はライフサイクルである。ここでは、
・「幸せ」
・「快適」
・「楽しみ」
が原則として挙げられている。通勤や食事、休憩時間の使い方、芸術から行事に至るまで日々の生活をより「美しく」なることによって、「内面」・「外面」ともに磨いていった「美」や「凛」を増幅することができる。

最初にも書いたが本書は女性をターゲットにした一冊であるが、「ルイ14世」のような振る舞いがしたいという方にも本書はおススメである。立ち振る舞い一つだけでも紳士的な所作を身につけることによって外見や内面もワンランク上になるので、そういった場に多く出られる方にもおススメと言えよう。