見た目レンタルショップ 化けの皮

何とも物々しいタイトルなのだが、表紙にもあるように、化け狐を扱う主人と狐たち。そして狐たちをレンタルする10人のお客が織りなす物語が本書である。もっとも10人のお客もまた「訳あり」で、化け狐をレンタルしたことにより、化けの皮が剥がれるようになってくる。その剥がれた人間の本性とはいったい何かをあぶり出している。

もちろんレンタルを行っていく中で

条件1 犯罪行為に使わない
条件2 中身が入れ替わっているあいだは互いに近くにいなくてはならないp.4より

という条件がある。もちろんお客も守るのだが本当に条件を遵守しているのかどうかすら疑わしくなるような部分もあった。狐というとけっこう賢い部分もあり、「化け狐」のごとく、相手を化かすようなイメージがある。しかしその「化かす」という狡猾さは、本書を読む限り狐よりも、どうも人間の方が強い印象のようだった。