三人称の哲学 生の政治と非人称の思想

よく哲学の場では「私」や「あなた」など、一人称や二人称で人間のことについて考察を述べることが多い。しかし本書はそれとは違い「彼」や「彼女」と言った三人称でもって哲学を論じている。

なぜ「私」や「あなた」ではなく「彼」「彼女」のような「三人称」で論じられているのか。

その大きな要因として「二項対立」が取り上げられる。これは「知識だけあるバカになるな!」「「分かりやすさ」の罠」でも取り上げられているが、「生」と「死」、「正義」と「悪」、「右派」と「左派」など大きく2つに分けて分別をつきやすくするようであるが、事の本質に踏み入れることができず、表面的な所で終わってしまう所にある。

しかし「三人称」となれば、「私」「あなた」にとらわれず「彼」「彼女」と言った「第三者」や「第四者」にまで思考の裾を広げている。人間的なことから、社会、政治、思想に至るまで、今まで見ることのできなかった視点で見ることができる。それが本書の魅力であり、面白さである。

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