阿修羅草紙

本書の表紙を見るからに「阿修羅」の雰囲気を見せている。その表情、さらにはタイトルにあるように、忍びにいるとある少女が、奪われた巻物を取り戻すために戦いに投じていくという物語である。

戦国時代のイメージを持ってしまうのだが、細川勝元山名宗全がいる時代であるため、室町時代の中期にあたり、ちょうど応仁の乱における戦いにあたる。しかし本書は応仁の乱自体を舞台としておらず、その裏で忍びたちとの死闘を描いている。甲賀衆や鉢谷衆をはじめとした忍びの衆がいくつも重なり合い、なおかつ戦いを繰り広げていく。

応仁の乱という表立った戦いの裏にあった「戦い」。少女を含めた忍びたちとの血で血を洗う戦いをスリリングに描かれている。忍び(忍者)に関しての小説はいくつも読んだことはあるのだが、これほどまでに戦いにおけるスピード感を感じた本はなかった。

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