なぜ、部下はリーダーの足を引っ張るのか?―「フォロワーシップ」で本当に強いチームを作る

組織には必ずといってもいいほどリーダーと部下が存在する。その中で「リーダーシップ」に関する本も数多く存在するのだが、部下がリーダーをもり立てていく「フォロワーシップ」について書かれた本はあまり見かけない。リーダーは「人を動かす」のだが、肝心の部下に足を引っ張られるような状態になってしまえばたまったものではない。

本書は「部下力」というべきかどうかはわからないが、リーダーを支えるために重要な力である、「フォロワーシップ」について伝授している。

第1章「たった1人の部下が及ぼす影響は計り知れない」
組織の規模によって1人の部下の影響力は異なるという人もいるが、それは間違っており、1人だけでも組織の規模に関係なく影響を及ぼす。たった1人の反発により、それが周りの部下に伝染し、組織全体にまで及んでしまう。「アンチ」や「傍観者」「風見鶏」のような「非協調」「反協調」のあり方が組織に対しどれほどの悪影響を及ぼすのか、反対に「上司と部下の信頼関係」と築くことによって組織全体がプラスに向かうことができる。本章ではその影響についてを紹介している。

第2章「組織の8割は「フォロワーシップ」で決まる」
あまり知られていない「フォロワーシップ」。それはいったい何なのだろうか。本章ではそのフォロワーシップを「奇妙なダンス」の話と、著者が携わった会社のエピソードを取り上げながら説明している。

第3章「なぜ、部下はチームに協力できないのか?」
部下がチームや組織に協力できるようにならなくなったのにも理由や背景が存在する。
高度経済成長期からバブル景気にかけては「頑張れば頑張った分だけ見返りがくる」時代だった。たとえ唯我独尊の横暴なリーダーでもそれをもり立てて頑張れば必ず光明が見えたため、協力することができた。
しかし景気は右肩下がりとなり、リストラも行われるようになってからその空気はがらりと変わり、頑張っても報われない時代となってしまった。
ましてや時代とともに新しく入ってくる部下の考え方そのものも変わるため、昨今のやり方では通用できたものもできなくなる。それに気づかず、昔のような手法にこだわってしまい反発を招いてしまうようなことも往々にして起こっている。

第4章「リーダーとナンバー2が変われば部下たちも変わる」
「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ」
という言葉を思い出す。しかしこれはリーダーに対しても言えることであり、上司と部下の信頼関係がフォロワーシップにとって大切なことであるだけに、自ら部下を信頼する、部下も上司を信頼することができることが大切である。そもそも上司と部下とで価値観も思考も異なる。それを尊重することが信頼関係を気づく、ひいてはフォロワーシップを繁栄させるための第一歩である。

第5章「フォロワーシップが組織に根付く6つのしかけ」
「ワークショップ」や「キックオフ会議」「物語」などの仕掛けを紹介している。一方的な押しつけではなく、上司・部下が関係を保ちつつもフランクに話せる雰囲気をつくることが大切である。

「フォロワーシップ」はあまり知られていないが、組織人として欠かせない考え方・システムであり、上司・部下の関係で悩む所が多いだけに大いに注目が集まるシステムと言える。本書はその可能性を見いだすことのできる一冊である。

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