卵子老化の真実

結婚の考え方が多様化するとともに非婚・晩婚化が進んでいる。非婚・晩婚化とともに、初産の年齢も年々高齢化し、40歳以上で初産を迎える女性も少なくない。高齢出産が珍しくなくなったのも一つであるが、同時に自然妊娠ができなくなり、体外受精を行ったり、代理母をつくって子どもをつくったりする人も出ている。また独身女性が卵子を凍結保存するといったことなどもある。

出産の高齢化もあるが、妊娠するまでに一苦労する夫婦が増えてきており、その中でも「不妊治療」を行う夫婦も6組に1組と言われている。

しかし不妊治療を行っても妊娠できなかったひとも少なくない、自民党衆議院議員の野田聖子氏も50歳で出産したが、幾度も不妊治療を受けながら妊娠をする事ができなかったという。そもそも原因は「卵子が老化する」ということを知らなかったのだという。本書はこの「卵子の老化」を取り上げている。

第一章「何歳まで産めるのか」
厚生労働省の「人口動態統計」によると、2011年現在初産の年齢は全国で30.1歳、東京に限って言うと31.6歳である。年々高齢化の一途をたどっている。その要因は最初に書いたとおりであるが、高齢化に伴い、自然妊娠(子作りして妊娠)を行う人も減少し、体外受精など医療機関などにたよって人工的に妊娠をする、と言う夫婦も出てきている。しかし「体外受精」も年を重ねるにつれ成功率も低くなる。原因は卵子で26歳頃をピーク老化し、自然にしても、人工にしても出産しにくくなるのだという。
とはいえ、出産の高齢化は今に始まったことでは無く、戦前~1950年代も30代後半~40代で出産していた女性が大半だったという(厚生労働省「人口動態統計」より)。

第二章「妊娠を待つ」
自然妊娠ばかりでは無く、体外受精・人工授精など妊娠のパターンは増えているように見えるのだが、自然妊娠がどの年代にも一番多いことは事実である。しかし体外受精など人工的に受精をする夫婦も増えてきており、病院によっては体外受精を強く勧めるようなところもあるのだという。その理由として体外受精は数十万~数百万円もかかる、そうなると病院側も利益になる、と言う算段ですすめるのだという。ただし全ての医師がその考えを持っている分けではないことを留意して欲しい。

第三章「高齢出産」
高齢出産と言えば最初に書いた野田聖子氏もそうであるが、女子プロレスラーのジャガー横田氏は45歳で初産、現在50歳だが第二子を妊娠している状態にある。高齢出産そのものがもはやあたり前のこととなった。しかし高齢出産というと出産まで耐えられるほどの体力が残っていないというリスクがあり、流産や死産をしてしまう可能性があるのでは、と言うことも考えられるが、実は流産・死産のリスクは年々減少の一途をたどっているのだという。

第四章「高齢母の育児」
高齢出産のリスクは低くなった一方で、出産後の子育てはどうかというと、高齢初産を行った母ほど「うつ」になりやすく、かつ産後からの体力回復、及び子育てをするための体力が残っていない母親が多い。また、社会として同年代の「ママ友」を創ることができない、おばあちゃんに間違われるといった外的なリスクもある。だが決してリスクだけではない。リスクを直視しながらも、自分の子どもを産むことへの責任感を考えることが出来る事、さらに自分自身の体力と向き合う絶好の機会になるからである。

当然のことであるが、出産は若いときに行うのであればほとんど問題はない。しかし現在の状況からして、若いうちから出産できる、ましてや結婚につながる出会いができなくなっているという現状がある。できなくなってきて、晩婚とともに高齢出産も避けられなくなり、不妊治療や体外受精・人工授精などを行う人も増えてきている現状がある。それと同時に「卵子老化」という現象も私たちは知る必要がある。本書は「卵子老化」を知り、そして高齢出産を考え、対処していくきっかけとなる一冊である。

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