偽りのシスター

双方ともつらい事情を持つ兄弟の住む家に突如、「妹」と名乗る謎の少女がやってくる。その少女は「腹違いの妹」と名乗っているが、その少女の魅力で兄弟は共に一目惚れをしてしまう。しかしそれは事件の連続の序章に過ぎなかった。

その連続した事件の中で明かされたのは妹の秘密ばかりではなく、最初にも書いた「兄弟のつらい事情」である。そのつらい事情は双方とも秘密にしていたためか、最初の所でも所々会話のやりとりがギクシャクしているような感じだった。連続した事件は複雑に絡み合い、そして解決への光明がさしかかった時、妹の真の関係が明かされるというものである。

本書を読んで思ったのが兄弟の在り方、さらには「秘密」と言った印象が強かったようにKな痔手なら無い。もちろん事件の全容を追うというのも面白いのだが、ミステリー作品としては事件のトリックはどこなのかを張り巡らす事が多いのだが、今回はそうでは無く、「兄弟の秘密」と言うところに謎の焦点が当てられているようだった。