年に数回テレビ朝日系列で「芸能人格付けチェック」が放送される。その格付けの中で確実に正解を積み上げていく芸能人もいれば、不正解を連発し「映す価値無し」となってしまう芸能人もいる。バラエティ番組であるだけに、面白さもあるようだが。
前述「格付け」であれば、お遊びなので面白いのだが、どうしても穏やかでない「格付け」も存在する。その中でも本書では「女子カースト」と呼ばれる陰湿な格付けが行われているという。本書ではその格付けの実態について暴露している。
第1章「なぜ女性は格付けしたがるのか?」
私は高校時代、商業高校に通っていた。商業高校では男子と女子の比率がおおよそ1:9で、クラスによっては女子だけのクラスもあったことを覚えている。そういったことも原因としてあったのだが、女子だけでもいくつかのグループにかたまり、時間があるときにはそのグループ内でしゃべっていたことが記憶に残っている。
実際にそれが「カースト」だったのかというと、高校生だった私にはわからなかったが、そういったグループには見えない線で引かれていたという。その線こそ「格付け」であり「カースト」であるという。その線がいつ引かれ、カーストが生まれているのか、そのことについて取り上げられている。
第2章「「女子カースト」の実態」
「女子カースト」は女子高生ばかりではなく、女子大生・OL・ママ友の間でも起こっている。女性大生では女子会やSNSなどで、OLではヒエラルキーの中で、ママ友では年収や夫などの環境からカーストが存在するという。
第3章「今の日本は多様性社会への過渡期」
なぜ女子の「カースト」が起こったのかというと、高度経済成長期からの「多様性社会」へのシフトしていったことと大きく関係している。その「カースト」によって階級が上がったり、生き残ったりするような術について取り上げられている。
第4章「「女子カースト」のその先に」
「カースト」によって女同士のつながりはいびつなものになってしまった。そのいびつなものを正すことができるのかと言うと、一人一人の自覚をもって取り組まなければならない点があり、難しい。しかしこの「カースト」をどのようにしていくのかは、「生きづらい社会」を改善することに直結しているとも言える。
「女子カースト」を色々と見てみると、日本社会の縮図のようなもののように見えてならない。「女子カースト」の問題の真相を解き明かしつつ、それをどのようにして解決していけば良いのか、それについて考えるに際し、ヒントとなる一冊である。
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