インターネットにおける誹謗中傷 法的対策マニュアル

インターネットというと様々なことを書いたり、情報を収集できたり、様々な影響を与えることができている。しかしそのインターネットの中で誹謗中傷を行うような書き込みを行う事例も存在する。その誹謗中傷によって企業や個人に対するイメージダウンを起こし、売り上げが減少するなどの実害も起こっている。その対策は、法的な整備はされつつあるものの、どのように対策を行うべきかわからない方も少なくない。本書はそのインターネットにおける誹謗中傷の対策について法的な立場から取り上げている。

第Ⅰ章「法的対処における基本」
法的対処を行う際に必要な知識について取り上げている。その中でもウェブサイトの閲覧やその閲覧記録などを残すための「ログ」、自分自身のパソコンの住所であるIPアドレスなどの基礎を説明するとともに、インターネットにおけるトラブルにはどのようなものがあるのか、そしてそれをどのようにして対処していけば良いのか、それらの基本について取り上げているのが本章である。

第Ⅱ章「対策マニュアル~手続きの流れを理解する」
誹謗中傷の被害を受けた方々に対しての対策を行う企業も出てきているのだが、具体的にどのような対策を行っていくのか、問題発生から対策の着手、そして解決に至るまでのプロセスを事細かに取り上げている。

第Ⅲ章「対象サイト・プロバイダ別対策」
ネットプロバイダの会社でもそういった誹謗中傷に対する対策は立てており、ネット使用についてもガイドラインを敷いているところも存在する。ほかにも代表的なブログや掲示板サイトもまた誹謗中傷に対する対策を行っており、罰則も存在する。本章ではその代表的なサイト・プロバイダを引き合いに出し、どのような対策を行っているのかを取り上げている。

第Ⅳ章「各種書式」
本章ではサイト管理者に対してメール削除、誹謗中傷に関する仮処分の要求、掲示板サイトやプロバイダ業者に対する仮処分や開示請求に関する様式を紹介している。いずれも法的な根拠が記載されており、ネットに関するトラブル専門の弁護士は使うのだという。

インターネットで書き込みができるようになってから、名誉棄損に関するような誹謗中傷は起こっていた。しかし法整備がままならない状態が続いたのだが、だんだんと法整備が進んでいき、弁護士の世界でもインターネットの書き込みに対しての法的手段を行使できるようになり、なおかつ誹謗中傷に対する対策を行ってくれる業者まで出始めた。そのような中でもトラブルはまだまだ収まる気配はない。そのため本書のように未然に防ぐ、あるいは一度起こったことに対処するための防衛策は持っておくべきである。