カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。
数年前から「カジノ構想」といったものが日本の議論の中で出てきている。とどのつまりカジノは副産物で、主に「IR」と呼ばれる「統合型リゾート」をつくることにより観光立国を促進する狙いがある。しかしカジノを巡っては激しい論争が今もなお続いており、今国会でカジノ法の成立はまだ見込みがないのが現状にある。

そもそも著者はカジノとIRは分けて考えるべきであると主張している。その理由は何か、そしてカジノとIRをどのようにして活かすべきかを提言している。

第1章「なぜシンガポールは短期間で観光収入を3倍に増やせたのか?」
IRの中でも最も急成長を遂げているところとして挙げられるのがシンガポールである。シンガポールには「マリーナ・ベイ」・「セントーサ」と呼ばれるところがあり、いずれも短期間で利益を上げたところとして有名である。そのカラクリを明かしているのが本章である。

第2章「マニラ急成長の秘密と、マカオ衰退の理由」
アジアにおけるカジノと言うとマカオであるが、最近マカオでは衰退の一途をたどっているという。その一方でフィリピンのマニラのカジノが成長しており、なおかつIRも含めた展開を見せている。特にフィリピンではゼブ島のカジノでも有名であるのだが、ゼブ島ではなく、なぜマニラなのかその真相も迫っている。

第3章「世界一のカジノ国 フランス」
フランスというとカジノと縁遠いイメージを持たれるが、実は世界でももっとも古くからカジノ施設が存在しており、なおかつ社会文化として定着しているのだという。その経緯と現状について述べている。

第4章「90年代ラスベガスの成功と、近年のニューヨーク州のラスベガス化戦略」
「カジノ」という言葉から最も連想するものとして挙げられるものと言えば「ラスベガス」である。そのラスベガスでは90年代に成功しているものの、最近では東海岸のニューヨーク州でも同じようなカジノ化戦略が始まっているのだという。そのカジノ化とは一体どのようなものなのか、そのことを取り上げているのが本章である。

第5章「世界のカジノから日本は何を学び、何を生かすべきなのか?」
では日本におけるカジノ構想の中で何が足りないのか、もっと言うと何が必要なのかというと、その筆頭として挙げられるのが「外国人による外国人のための」の部分である。その部分の中でIRやカジノはどうしたら良いのか、そのことを提言している。

日本ではカジノ構想が議論を呼んでいるのだが、その中でどのような要素が必要なのか、海外のカジノ・IRとを比較しながら紐解いているのが本書と言える。