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2021年9月

ジャック・デリダとの交歓 パリの思索

ジャック・デリダは20世紀~21世紀にかけて活躍した現代哲学を代表する人物の一人である。フッサール現象学から出発し、ハイデガーの哲学を批判的に考察を行った人物としても有名である。 本書の著者は言語学・哲学者であるが、フランス留学を長らく行っており、その中で実際にジャック・デリダとの交流があった。その交流の中で著者自身が見てきたデリダの哲学とは何かを綴っている。 第1章「出会いから最初の発表まで」 […]

新種の発見-見つけ、名づけ、系統づける動物分類学

そもそも動植物などの「生物」において、様々な「分類」がある。例えばライオンやトラは「ネコ科」と言うような大まかなものから、そこから○○属というように、細かい分類を行う事もある。 その分類を司っているのが「分類学」であり、新種が発見されると、どこに分類するのかどうかの議論が行われ、分類されていく。ではどのようにして分類学は発展され、なおかつどのように変わっていくのか、新種の発見の歴史と共に紐解いてい […]

アメリカの制裁外交

今でこそ、バイデン政権に変わっており、その中での外交は行われているが、実際にどのような外交になるかはまだ未知数と言うほかない状況にある。 アメリカでは歴代大統領によって、外交が変わってきており、本書で紹介するような他国に対しての「経済制裁」に積極的な大統領もいれば、逆に消極的な大統領もいる。特に適している国に対しては制裁を行うことが多いのだが、いったいどのような制裁を行ってきたのか、本書にて取り上 […]

天正伊賀の乱-信長を本気にさせた伊賀衆の意地

戦国時代の真っ只中にあり、織田信長が天下を取らんとしている時期にあった。その時に起こった乱の一つとして本書で取り上げる「天正伊賀の乱」がある。しかしこの天正伊賀の乱は第三次まで起こったのだが、その顛末を取り上げている。 第一章「乱勃発前夜」 伊賀というと「忍者」を連想してしまうのだが、実際には国の一つとして伊賀国があった。しかし戦国武将は生まれていなかったため、国としての印象は薄かった。もっとも国 […]

恋愛制度、束縛の2500年史 古代ギリシャ・ローマから現代日本まで

現在の日本で恋愛制度といった法律は存在せず、あったとしても「結婚」に関して民法に定められた制度がある。そう考えると「制度」というのは存在しないのだが、宗教的な概念、あるいは文化的な概念から、暗に「制度」と言うような形にしているとも考えられる。一般的な「恋愛」は万国共通、と言いたいところだが、国や時代によって、恋愛の形は異なってくる。本書は古代から中世、さらには日本や欧州など、様々なケースで持っての […]

ひと喰い介護

介護施設は全国津々浦々に存在する。手厚い介護を受けられるところもあれば、中には「それなり」といった所も存在する。ちなみに本書のような介護施設であれば、発覚するようなことがあれば摘発されることは間違いなしだが。 本書は介護施設としては設備が充実、接遇なども良いと噂の介護施設であり、入所者も多くいる。その中にある女性ケアマネージャーがの献身的な態度が人気を呼んでいるのだが、このケアマネージャーが「ひと […]

データで読み解く「生涯独身」社会

非婚化・晩婚化が増えてきているといった話は何度か書いたことがあるのだが、実際に結婚せずに、生涯独身を通した場合の社会はどうなっていくのか、またなぜ結婚する人が減少してしまうのか。要因としても様々であるのだが、本書では様々なデータでもって、生涯独身となり得るのか、そのことについて取り上げている。 第一章「結婚願望がないのか、叶わないのか」 「結婚したくない」人が増えている、あるいは草食化が進んでいる […]

動物警察24時

動物虐待などの犯罪は現実の今でも後を絶たない。中にはニュースで取り上げられることもある。本書はその犯罪に対して専門的に取り締まるべく「東京アニマルポリス(通称:TAP)」を設立し、取り締まるというものである。 次々と起こる動物に関する事件があるのだが、次々と解決していった。しかしその矢先に最大の危機が、そしてその要因はTAPならではの要因でもあった。 動物問題は多かれ少なかれ起こっているのだが、表 […]

超入門カーボンニュートラル

F1などモータースポーツを舞台に活躍しているホンダが、昨年11月に2021年シーズンを最後にF1から撤退することを発表した。その理由として本書で紹介する「カーボンニュートラル」の実現に注力したいとのことだった。実際にホンダは今年4月に三部敏宏が新社長となり、2050年という長期にわたるカーボンニュートラルへのロードマップを示したばかりである。 ホンダを始め自動車業界でもカーボンニュートラルへの動き […]

比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども

本書の著者は元お笑い芸人で「セーフティ番頭」でコンビを組んでいた。かつて存在した「爆笑オンエアバトル」でも出演したことがあるのだが、2010年にコンビを解消、そして職を転々としながら、2014年に作家としてデビューし、そのデビュー作である「神様の裏の顔」で「第34回横溝正史ミステリ大賞」を受賞し、現在に至っている。 本書の話に入るが、本書は少し形の異なる短編集である。なぜ「形の異なる」と書いたのか […]