新種の発見-見つけ、名づけ、系統づける動物分類学

そもそも動植物などの「生物」において、様々な「分類」がある。例えばライオンやトラは「ネコ科」と言うような大まかなものから、そこから○○属というように、細かい分類を行う事もある。

その分類を司っているのが「分類学」であり、新種が発見されると、どこに分類するのかどうかの議論が行われ、分類されていく。ではどのようにして分類学は発展され、なおかつどのように変わっていくのか、新種の発見の歴史と共に紐解いている。

第一章「学名はころころ変わる?―生物の名前を安定させる学問、分類学」

そもそも分類とはどのようなものかというと、

「生物(ドメイン)」
「界(かい、上界・亜界・下界などもある)」
「門(もん、亜門もある)」
「綱(こう、亜綱もある)」
「目(もく、亜目もある)」
「科(か、上科・亜科などもある)」
「属(ぞく、亜属もある)」
「種」

と大きく分けてこのようにある。もっともその分類をどうするかによって、学術的研究で利用するための「学名」も変わってくる。しかし生物における「新種」が発見した際にどのようにして決まっていくのか。それは「国際動物命名規約」という国際的な「規約」が定められており、それに則り命名している。

第二章「地球の果てまで生物を追い求める―陸か、海か」

生物における「新種」の発見は尽きない。その要因として、生物そのものにも「進化」が存在しているため、新たな新種ができることも否めない。その一方で、新種が続々と出るにあたり、ほぼ出尽くし、飽和状態になっていることも否めない。飽和状態の中で進出を探すという、まさに「地球の果てまで追い求める」ことを行い、新種の発見に全力を注いでいる方々もいる。

第三章「分類学の花形、新種の発見」

そもそも「新種」を発見するというと、第二章のごとく地球の果てまで追い求めてやっと発見するイメージがあるのだが、実際の新種の発見は追い求めて見つかるものもあれば、大学の実験室で偶然発見するというようなものまで存在する。しかしその発見をした後に、どの種類に分類するかの議論がメインとなる。本章では海洋生物の新種の発見と、その発見が本当に新種かどうかの議論、そして新種の分類についての議論を取り上げている。

第四章「命名ー学問の世界への位置付け」

分類についての議論の中で命名もまた議論の対象になってくる。どのような位置付けにしていくか、そして第一章で登場した「国際動物命名規約」についてどのようにして則るかなどが中心となる。

第五章「これからの分類学」

新種の発見は尽きない。尽きないからでこそ、分類はどのように行っていけば良いのか、その展望を説いている。

生物には様々な分類があり、森羅万象の生物にも、多種多様の命名や分類がなされている。しかしそれらにも「規則」があり、その規則に則って議論、そして命名、分類が行われている。しかしこの「規約」自体も時代の変化と共に変えていくことが求められているが、どのように変わっていくかも見物である。