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2021年9月

超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる

特にここ最近ではコロナ禍の第五波が蔓延し、自宅療養(実質的に「自宅待機」と言うべきか)の人が増えており、中には独り暮らしで療養したが容態が急変し、亡くなるケースも後を絶たない。コロナ禍以前でも、かつては「無縁社会」と言う言葉でも書いたのだが、身寄りがなく、孤独に息を引き取り、ようやく数日、最悪数ヶ月経って発見されるといったケースもある。 本書はその孤独死の処理を行う「特殊清掃」の現場取材をもとに、 […]

隠された奴隷制

すでに「奴隷制」そのものは、欧米では19世紀、他の地域でも遅くとも20世紀には完全に廃している所がほとんどであり、今となってはほとんど存在しない。しかし紀元前以前から階級制や身分制といったものがあり、その中でも最も下の所で「奴隷」と言う存在があった。また海外で植民地化し、その非植民地の民たちを奴隷として扱う国も存在した。 ではこの奴隷制を政治思想、あるいは経済思想のなかでどのような定義をなされてき […]

コロナ後のエアライン

昨年の初め頃から続いているコロナ禍は様々な業界において暗い影を落としている。メディアでは飲食店に目が行きがちであるのだが、他にも旅行業界は大ダメージを喫してしまい、さらには本書で紹介する航空業界でも、国内外問わずに苦しい状況が続いている。またアフターコロナと呼ばれる時代になった時に、航空業界はどのような変化となっていくのだろうか、本書ではそのことについて取り上げている。 第1章「ANAとJALの危 […]

やわらかい砂のうえ

砂は場所などによってやわらかかったり、ざらざらしたりする。特に名所となるとやわらかい砂が敷き詰められているところもある。 本書の主人公はそのやわらかい砂丘のある町で生まれ育ち、大阪で働くことになった。そのなかであるサロンで男性に一目惚れしたのだが、その手を握り、つながるようになるまでが非常に遠く、なおかつ紆余曲折があった。紆余曲折の中には自分自身にある面倒くさい性格も含まれており、男性の側も、どの […]

あの天才がなぜ転落 伝説の12人に学ぶ「失敗の本質」

「天才」と呼ばれる人物は数多くいる。しかしその天才と言っても、人であり、人であるからでこそ「失敗」は存在する。しかもその「失敗」の中には大きな失敗をしてしまい、頂点から転落してしまうことも往々にしてある。本書は12人の天才たちがなぜ転落したのか、それぞれの角度から取り上げている。 Chapter1「競争戦略」 本章で取り上げているのは3人。一人は発明家のニコラ・テスラ、一人は麻酔技術のパイオニアで […]

肉体のジェンダーを笑うな

おそらく本書は史上初めてとなる「パラレルジェンダー」と呼べる一冊と言える。というのは男性の胸から母乳が、いわゆる「父乳」が出るといったことから、ロボット技術で女性が怪力になると言ったものまで出てくる。 いわゆる性的な特徴といったものを「決めつけ」としていたものを排し、性別を超えるようなものまで出てくる。 また本書は短編集であり、他にも「フラット」な生き方を性別も含めてすべて「フラット」にするような […]

ネットビジネス進化論―何が「成功」をもたらすのか

ネットビジネスは自分自身も取り組んだことがあり、なおかつ私の知り合いでも行っている方々も少なくない。しかし「ネットビジネス」ひとえに言っても、かねてから良くも悪くも話題となっている「転売」から「アフィリエイト」といったものなどが挙げられる。 もっともネットビジネス自体は手を替え品を替えとしながらも、20年ほど続いているのだが、その中でどのような「進化」があったのか、本書ではその進化とあり方について […]

シニアよ、インターネットでつながろう!

よくカフェに行くと、色々な世間話を聞く。周りにはシニアの友達同士でスマホなどを使い、SNSのやりとりを自慢する方々もいれば、パソコンやネットの話をされる方々もいる。しかし中にはインターネットに対して嫌悪感を持っている方々、あるいは「機械に疎い」と話をされる方も中にはいる。 インターネットを含め、世の中は便利になってきている。便利になっているからでこそ、シニア世代にも使って、つなげてほしい。その思い […]

日本語の乱れか変化か—これまでの日本語、これからの日本語

「日本語の乱れ」に関しての本はこれまでに「言葉」や「日本語」に関しての本で繰り返し取り上げているのだが、もっとも乱れているのではなく「変化」であると主張してきた。しかしその変化を相容れない考えから「乱れ」と捉えて批判しているとも書いたことがある。もっとも学問、特に言語学においては「乱れ」という概念は存在せず、単なる批判材料となっていることも否めない。 そこで本書である。日本語に限らず、言語は様々な […]

交通事故は本当に減っているのか?―「20年間で半減した」成果の真相

交通事故は減少傾向にあるといったニュースを目にするようになった。警察庁の発表資料を見ると、確かに2004年をピークに減少傾向にあることはわかるのだが(Car Watch「2020年の交通事故死者数は2839人、統計開始以来最小を更新し初めて3000人を下まわる」より)、本書のサブタイトルにある所は果たして本当なのだろうか、という疑問を著者は持っている。 しかし数字から見てみると、先述のリンクを見て […]