スノーボードの誕生 なぜひとは横向きに滑るのか

今月11日、北京オリンピック男子ハーフパイプにて日本の平野歩夢選手が金メダルに輝いた。スノーボード競技について男女通して初めての金メダル獲得である。平野選手自身もソチ・平昌の両五輪で連続銀メダルとあと一歩及ばなかったが、3度目の挑戦にして初めての頂点に立った。その戦いに日本中が沸いた。その一方で決勝2回目の採点について国内外にて激しい論議が噴出したのも連日報道されている通りである。

このスノーボード競技自体はわりと最近競技として取り込まれており、初めて五輪競技として扱われたのは24年前の長野オリンピックである。このときはハーフパイプと大回転の2種目のみだったが、そこから種目などがドンドン増えていくようになった。それ以前からもスノーボードはあったのだが、そもそもスノーボード自体はどのような歴史を辿り、競技として成り立っていったのか、その経緯を取り上げている。

第Ⅰ部「スノーボードのはじまり」

私自身「管理人紹介」にも書いてある通り北海道旭川市出身である。そうであるが故に、体育の授業の中ではスキーの授業があり、冬の時期は年に数回スキー場へ行き、スキーを行うこともあった。スキーは好きであるが、「下手の横好き」の如く、あまり上手に滑ることができなかった。そのスキー場ではスノーボードを楽しむ人もちらほらいたことを覚えている。

そもそもスノーボードというと、身体を横にして滑ることが多い。なぜスノーボードは横で滑るのか。その原型として夏のサーフィンがある。サーフィンも波に乗るために身体を横にしてサーフボードに乗り、波に乗るものである。それが陸に上がって、今度はスケートボード(スケボー)に発展し、路上などで使われるようになった。

サーフィンの歴史は深く500年ごろにポリネシア人がハワイ諸島へ持ち込んだとされているが正確な説はわかっていない。そしてそこから発展したスケートボードは1950年代にアメリカで生まれた。

第Ⅱ部「スノーボードの普及と発展」

サーフィンからスケートボード、そしてスノーボードへと発展し、誕生した経緯を取り上げている。スノーボードの原型としてつくられたのが1960年代に発売された「スナーファー」と呼ばれるものであり、それがアメリカにて流行し、改良したのがスノーボードである。1970年代後半につくられたが当初は売れなかった。その要因としては現在あるわたしたちとスケートボードのあり方によく似ていた。それを払拭するように開発者を含めた各企業が躍起になり、ガイドラインをつくり、スキーブームの沈静化も相まって、広がりを見せるようになった。

第Ⅲ部「日本で生まれた「足を固定できる」世界初のスノーボード」

スノーボードはスケートボードやサーフィンとは異なり、足を固定しなくてはならない。安全対策もあるのだが、波や路上と違い滑降していくこともあり、足をそのままで止めることが難しいためである。その足を固定するスノーボードを誕生したのは実は日本で有、スノーボードの誕生と同じ時期に「足を固定できる雪用ボード」として生み出した。生み出したのはパイオニアモス社の創業者である田沼進三氏である。本章ではその田沼氏とのインタビューも収録している。

スノーボードの歴史は浅いが、オリンピック競技として扱われるようになり、なおかつハーフパイプと大回転からビッグエアやクロスといった競技など多様化している所もあり、これからウィンタースポーツとしてさらなる広がりの可能性を見出せる。平野歩夢選手の金メダルを始め現在・過去を併せて何人もの選手がメダルを獲得しているが、それが起因となってさらなるムーブメントをつくるのかも知れない。

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