寿司屋奮闘記 イン ニューヨーク

今となっては場所にもよるのだが、海外でも日本食を扱っている店も出てきており、特に海外に住む日本人たちが集まり、舌鼓を打っている。

しかし日本食の店が続々と出てきたのが高度経済成長に入ってからの事であるが、その時はまだ日系人や海外にいる日本人がターゲットだったという。外国人における日本食への認知が始まったのは1970年代後半の時であり、そこから一気に広がっていった。

それはさておき、本書は戦後の復興の時に江戸前の寿司屋をはじめ、全国展開した後に、息子も呼び戻して鍛え、やがてニューヨークへと進出することになる。当時のアメリカでは日本食すらわからない人も多く、ましてや寿司が受け入れられるのか。ましてやアメリカにおけるビジネススタイルと、生活、さらには文化の差異にもがき苦しみながらも、奮闘する姿を描いている。「紆余曲折」と言う言葉がこれほどにじみ出ている小説はなかなかなかった。

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