世界にはそれぞれの場所における「神話」があり、その中でも「神」は存在する。日本でも八百万の神と数多あるが、海外における神話でも八百万とまでは行かなくとも、多くの神々が活躍していた。
その中でも本書は「女神」にフォーカスを当てている。「女神」とひとえに言っても、美の女神から強い女神、さらには一風変わった女神まで網羅している。
1.「絶世の美女神」
美女神というと、ギリシャ神話におけるアフロディーテの印象が強い。もちろん本章でも取り上げているが、それだけでなく、メソポタミア文明における女神のイシュタルや北欧神話に出てくるフレイヤ、ケルト神話に出てくるデルドレ、そして日本神話におけるコノハナサクヤヒメも美女神として取り上げられている。
2.「めちゃくちゃ強い女神」
「強さ」の象徴たる女神も中にはいる。「戦女神」と呼ばれるインド神話のドゥルガーがその代表格に当たる。また日本でも太陽神であるアマテラスがいる。
3.「母神の愛憎」
数多くの神を生み出した母親としての「母神」がいる。本章では特に日本神話のサシクニワカヒメやオホクニヌシ、スセリビメなどが挙げられている。しかし母神と言っても慈しみの多いわけではなく、ギリシャ神話におけるメディアは怖い母神として挙げられている。
4.「転んでもただでは起きない女神」
女神の中には過酷な試練を乗り越え、女神に召し上げられた神もいる。代表格としてギリシャ神話におけるアリアドネやプシュケは人間から女神になった数少ない神である。それぞれ過酷な試練・運命を待ち受けていたのだが、それらを乗り越え女神になったという。
5.「変わった奥さん」
「結婚」と言っても色々な結婚があり、中に異類婚といった女神と別の動物との結婚によって奥さんとなった女神がいる。日本神話のトヨタマヒメやフランス神話のメリュジーヌが代表格である。
6.「怖い女神」
「怖い」と言うのもどのようなものかによって異なってくるが、インド神話に出てくる凶暴な女神カーリーは「怖い女神」として挙げられている。他にも日本神話における鬼子母神、ロシアではバーバ・ヤーガなどがいる。
「女神」は世界中にあり、それぞれ何を司っているか、あるいはどのような神話が存在したかによって変わってくる。女性を象徴付ける美女神はもちろんのこと、強い・怖いといった女神、さらには過酷な境遇を乗り越えて女神になったものもいる。その「様々」が本書にてよくわかる。
コメント