ふりかえる日、日―めいのレッスン

物語は、突然の出来事などから起こることもあれば、何気ない日常からも生まれる。特に何気ない日常の中にも多少なりの「変化」があるのだが、その「変化」のあり方が、日々の物語を紡いで行く。

本書は主人公の姪が日々触れるあらゆるものに耳を澄ませて成長して行くと言うものである。五感のうちの「聴覚」によって春夏秋冬を描き、なおかつ物語として織りなしていく所に魅力がある。

ショートショート形式にて描かれており、タイトル一つ一つに何に触れ・聴いたのかがあり、なおかつ一つ一つの物語が日常の中で温かみを見出しているような気がしてならなかった。そしてその姪を見守る家族の姿もまた魅力的で、日常の中にある温かな世界が物語からでも触れられる一冊であった。

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