ビジネス書を見ると、「デキる人の~」や「出世できる人~」という本が立ち並ぶ。おそらく本書のような本はなかなか出てこない。これほどまでに穿った本は見たことがないとも言える。
ビジネス書に辟易を持った人であれば、本書を手にとってほしい。まさに「ナンセンス」と呼ばれながら、実践を重用するビジネス書だからでこそ、「読んだら実践するな」というような一冊、それが本書と言える。さてその中身を見てみよう。
Ⅰ.「子どものうちから肝心」
「出世しない」ためには子供のために意識付けをする事が肝心であるという。具体的な方法では、授業態度を悪くする(毎日廊下にたたされるなど)ことや、テストで0点ばかりとることにあるという。
そうなってくると「ドラえもん」にでてくる「のび太」こそ格好のモデルといえる。
Ⅱ.「事業家にならぬためには」
事業を興す人にならないためか、もしくは生え抜きの社長にならないための方法としてのノウハウ(?)を紹介している。
Ⅲ.「いつまでも二等兵でいるには」
兵士として昇進しないための方法であるが、本書の本来の著者がフランス人であるため本章の最初には「フランス国元帥にならない」という節まで存在する。
Ⅳ.「視学官にならぬためには」
「視学官」とはどのような職業か。調べてみると、
「中央・地方に置かれ、学事の視察と事務をつかさどった官吏。」(weblio辞書より)
である。日本では文科省で教育行政に対して助言を行う職業のことを指しているそうである。本章はその視学官にならないための方法を紹介している。
Ⅴ.「流行作家にならぬためには」
流行作家になったときの苦悶を取り上げながら、そうならないための方法をフランスならではの常識とともにつづっている。
Ⅵ.「政治家にならぬためには」
政治家にならないために、大統領や首相、さらには占拠人にならないための方法を細々と紹介している。
Ⅶ,「社会の寵児とならぬためには」
時代の寵児とならないためにどうしたら友達をつくらないためにどうしたらよいかをナンセンスに紹介している。
まさに「ナンセンス」にふさわしい一冊であり、「自己成長」するためには本書の「逆」を実践するとよい一冊と言える。ビジネス書の中でこれほど「異色」と言える一冊は観たことがない。
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