TAG

夫婦

毎日世界が生きづらい

世間もさることながら、昨今の世界は「生きづらい」社会となっていることには間違いない。もっとも生きること自体が苦しいことも含まれている。 本書の話に移るが、会社員と作家の夫婦。その二人の間にも子供が生まれ、生活面でも支えていかなければならなくなる。金銭面はもちろんのこと、方や作家の側は出版すらこぎ着けない毎日であるため、半ばニートのような状態である。作家といった書いて売れる立場はどうしても当たり外れ […]

半逆光

人を好きになってしまうことに、解などない。本書帯より 「好き」といった感情があるとするならばその通りかも知れない。しかし解の中には倫理的に、社会規範的に許されざる「好き」があることもまた事実としてある。その一つとして「不倫」が挙げられる。とある俳優が「不倫は文化だ」といった発言で騒動になったことは一昔前の話になるのだが(後に本人が否定した)、実際に不倫をした・されたとなるとどのような感情になるのだ […]

お龍のいない夜

よく時代劇でも登場する、幕末の中でも印象に残る人物として挙げられるとするならば、「坂本龍馬」である。その妻の「お龍(楢崎龍・ならさきりょう)」も龍馬を主軸とした作品にはほぼ必ずといってもいいほど出てくるのだが、そのお龍を主軸とした作品は本書以外あまり見たことがなかった。 ちなみに本書は内助の功としてのお龍と言うよりも、まだ「楢崎龍」だった時代、つまりは龍馬と結婚する前の時のことを描いている。京都の […]

ぼくたちの離婚

ここ最近では結婚した夫婦の3組中1組といった割合で離婚をする。有名人でも離婚をすると報道されるのだが、その報道が頻繁にある。私自身結婚をしたことがないため、離婚もしたことがない。そのためどうして「離婚」をするのかさえも分からないのだが、離婚をする夫婦は夫婦なりの「理由」があるという。その「理由」とはいったい何なのか、本書では13組の夫婦を取り上げつつ、離婚の要因を追っている。 第1章「“家族”を背 […]

なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造

主婦の人に遭遇することも少なからずある。主婦によっては完全に主婦しかやらない方もいれば、仕事を行う傍ら主婦を行うと言う方もいる。その主婦たちはどちらも「しんどい」のだという。そのしんどい理由としてどのようなものがあるのか、そしてその「しんどい」から脱するにはどうしたら良いか、そのことについて取り上げている。 第一部「なぜ共働きも専業もしんどいのか」 かつては専業主婦が大多数だったのだが、共働き夫婦 […]

ルポ 母子家庭

「母子家庭」となっている家族は数多くあるのだがその中には、本書で取り上げられるほどの悲しく、重苦しい境遇を辿る母子も少なくない。本書はその中でも5つのエピソードを取り上げているのだが、どれも私の想像を絶している。 第一章「母と子の悲しい現実」 結婚して子どもができると、色々と変わってくる。その「変わってくる」方向が良い方奥に行くこともあれば、逆に夫婦関係が拗れてしまい、離婚をしてしまうこともあると […]

トッピング 愛とウズラの卵とで~れえピザ

ピザはトッピングが様々であるため、つくる立場でも食べる立場でも面白い(もっとも私はつくったこと自体数えるほどしかないのだが)。その中には日本でしかできないモノ、さらにはその日本の中でも特定の地域でしかつくれないものまである。 本書はその中でも特に地域というよりも、さらにミクロになって本書が舞台となっている店でしかできないピザと家族の物語である。 特に家族となると、様々な模様があるのだが、本書で登場 […]

美しい距離

人と人との間には、多かれ少なかれ「距離」なるものが存在する。距離の長さは近いものもあればと遠いのもあるのだが、家族や夫婦と言った間柄であれば、限りなく近い者と成、赤の他人であればあるほど遠いものとなる。 しかしながらその距離によっては煩わしさもあれば、孤独感を生み出す要因にもなる。近しい人が病めるとき、あなたの立ち位置はどこにあるのか。そのことについて考えるきっかけともなり得る。そのなり得る距離は […]

君のむこうを過ぎてゆく雨

有名な曲に「長崎は今日も雨だった」というのがある。この曲は1969年に内山田洋とクール・ファイブのメジャーデビュー曲として発売され、ミリオンセラーにまでなった。その後ソロデビューを果たした前川清によって今もなお歌い続けられている。 それだけ長崎は雨が多いのかというと、実際の所そうでなく、1982年に起こった長崎大水害こそあれど、慢性的な水不足になった時期もあったほどである(冒頭に述べた曲が出た時期 […]

時の名残り

本書の著者である津村節子氏は今年の6月で卒寿を迎える。その卒寿を迎えるとなると作家活動の集大成とも言えるような作品も出てくるのかも知れない。 その一つとして本書があるのだが、89年もの時を流れた中での名残を見つけに様々な旅を続け、12年前に死別した夫・吉村昭氏との思い出、そして1959年に処女出版をしてからもう間もなく作家活動60周年を迎える中でどのような小説を書き続けてきたのか、長きにわたる思い […]