「母子家庭」となっている家族は数多くあるのだがその中には、本書で取り上げられるほどの悲しく、重苦しい境遇を辿る母子も少なくない。本書はその中でも5つのエピソードを取り上げているのだが、どれも私の想像を絶している。
第一章「母と子の悲しい現実」
結婚して子どもができると、色々と変わってくる。その「変わってくる」方向が良い方奥に行くこともあれば、逆に夫婦関係が拗れてしまい、離婚をしてしまうこともあるという。しかもそれが夫のDVに悩まされるなど、仕事も家族も、人生も、何もかも、王会してしまい、ついにシングルマザーになってしまうのだが、その後も仕事が見つからない、あるいは見つかったとしても満足に生活できないといったさらなる地獄に見舞われた。
第二章「崖っぷちに追い詰められる理由」
女子大生の時に結婚し、子どもをもうけたのだが、そこから崖っぷち人生が始まった。その子どもをもうけた夫が、男の自分でも認めてしまうほどの「クズ」と言われるほどの存在だった。その夫との夫婦に耐えられず、離婚し、シングルマザーとなったのだが、そのシングルマザーでも生活できるように働き始めたのだが、その仕事が心労を極めてしまい、うつになってしまい、なおかつ障害を抱えるようになった。しかも子どももまた障害を抱えてしまい、母子揃って障害を抱えてしまう、さらには周囲の冷たい視線を浴び続けるというものである。
第三章「制度の矛盾に苦しめられる」
仕事にしても、子育て、家族にしてもありとあらゆる「制度」が存在する。その制度を使うにしても、人生が大きく左右される。しかしながら「制度」と「制度」ががんじがらめとなってしまい、それが「矛盾」となって起こり、母子たちに苦しめられるようなことが往々にしてある。本章で会う母子で「矛盾」に苦しめられる姿を取り上げている。
第四章「それでも生きていくために」
子どもを育てる、生活するため、それよりも生きるために安定した収入が求められる。安定した仕事を求めるために仕事を探すものの、なかなか見つからなかったり、ワーキングプアに陥ったりする事もある。それを打破するための支援プログラムも存在すると言う。
第五章「母子を支える手」
母子の苦しみから少しでも解放するために官民問わずに支援の動きを見せている。その支援はどのように行われているのか、様々な動きを列挙している。
家庭の事情は様々であり、中には母子家庭になってしまうような家庭もある。もちろんその中には地獄を絵に描いたような家族もある。その状況から救いの手を差し伸べる企業は存在するのだが、まだまだ氷山の一角といった方が良いのかもしれない。
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