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物語

光をえがく人

もしもあなたが気分が沈む、あるいはネガティブな状況に陥ったときに何を行うか。音楽を聴く、本を読む、飲食をするなど方法は沢山あるのだが、中にはアートに触れると言うのもまた心洗われ、ネガティブな気持ちから解放されると言う人もいる。 本書はそのような人たちを描いた短編集であるのだが、それぞれの境遇の中にある「アート」、そして触れることによってもたらされる効果が見て取れる。もっともアート自体は論理では無く […]

密やかな結晶 新装版

人生における様々な経験や成果はある種「結晶」のようなものである。結晶となると美しさや輝きを放つのだが、それは経験や出来事の遭遇などによって決まってくる。もちろん日常のことからも結晶が生まれ、輝いていく。 本書はとある島を舞台にしているのだが、その島は多くのものが消滅していき、人も心もどんどんと失っていくような状態に陥った。さらに本書の主人公は小説家であったのだが、その小説を描くことでさえも失ってし […]

シン・モノガタリ・ショウヒ・ロン 歴史・陰謀・労働・疎外

元々著者は「物語消費論」を1989年5月に上梓した。その前後からサブカルチャーや消費論を取り上げて、論壇でのし上がってきた。もっとも「物語消費論」は1989年を皮切りに「定本 物語消費論」(2001年)、「物語消費論改」(2012年)と「物語消費論」の変化を論じてきた。 そして本書である。庵野秀明を対抗してかどうかは不明だが「シン」とつけて、現在における「物語消費論」はどのように変化していったのか […]

作ってあげたい小江戸ごはん たぬき食堂、はじめました!

埼玉県川越市は、俗に「小江戸」と呼ばれ、有名である。そもそも「小江戸」とは「小さな江戸(東京)」というよりも、江戸時代のような風情があり、その風情によって栄えている待ちのことを指す。江戸時代にて、 世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり と謳われたことから、「小江戸=川越」という印象がつけられている。それ故か、地ビールには「COEDOビール」、閉鎖された施設として「小江戸横丁」もある。 その […]

もののけの日本史-死霊、幽霊、妖怪の1000年

今となっては心霊番組はほとんどないと言えるに等しいが、もののけや幽霊にまつわる怪奇作品は少なからず残っている。しかしこれらはある種の「娯楽」という側面が強い。 心霊や妖怪といったものは現代というよりも、むしろ「日本霊異記」をはじめとした伝説や古典などで取り上げられることが多く、なおかつ伝承としても扱われることも度々ある。本書はその霊や妖怪といった「もののけ」について古代から近代にいたるまでの間、ど […]

組曲 わすれこうじ

著者は、7年前に芥川賞を受賞したのだが、受賞年齢が最高齢であり、現在も破られていない。元々小さいころから物語を描き始め、26歳の時に「毱」でデビューしたが、その後は執筆はしているものの、表には出ておらず、ようやく出てき始めたのは2010年代に入ってからのことである。 現在公に出ている点では「寡作」と言う分類に入るのだが、一つ一つの作品が短編であることが多く、一編一編が不思議なつくりをしており、不思 […]

クラウドファンディングストーリーズ —共感で世界を動かした10のケーススタディ-

クラウドファンディングは今となってはよく知られているのだが、私自身初めてその言葉を知ったのは2014年のこと。ネットサーフィンをしていたときに、クラウドファンディングを行うと言ったページを見たときだった。ある種の寄付を行うのかなと思ったのだが、資金集めを行うための活動だったこともあるのだが、寄付・応援をすることによっての見返りもあることから面白そうだと思い、これまでに何度か投資を行った。もっとも自 […]

kaze no tanbun 特別ではない一日

本書は「短文集シリーズ」とある。実際に観てみると小説のようなやりとりもあれば、最近のニュースや日常などのエッセイもある。「短文集」とひとえにいっても、小説チックに描くようなこともあれば、エッセイチックに描くようなこともある。 本書のタイトルである「特別ではない一日」は単純に言うと「ありふれた日常」を表しているのかもしれない。 ありふれた日常の中で、なおかつ特別でないごく普通の一日の中で出てくる「特 […]

曙光を旅する

歴史小説でも有名な葉室麟が西日本を旅し、歴史や文豪などを知るために渡り歩くという一冊であるのだが、その西日本を旅したことにより、生まれた歴史小説も数知れず存在する。いずれも歴史的な論拠も捉えつつも、物語としても仕上げてきている。その原点が本書にあると言える。 ちなみに本書は朝日新聞の西日本版で掲載したものもあれば、本書のために書き下ろしたものも存在するため、連載しか観たことがない方々にとっても愉し […]

オーケストラ ー世界の町で楽団員をさがそう!

オーケストラというと様々な楽器で編成される。その楽器の奏者は数多くおり、曲によっては少なくて済むのもあれば、多種多様の楽器を使うことさえもある。よくオーケストラに使われる楽器について本書は絵本であるのだが、取り上げられている。 ちなみに本書は絵本であるのだが、あたかも「ウォーリーを探せ」の如く、楽器の楽団員を多数いる人の中から探すと言ったある種の人捜しクイズにようになっている所も魅力的である。 し […]