ライフハックのつくりかた

先月の「出会いの大学」のセミナーで講師をされていた小山龍介氏の1冊。元祖Hacks!だけあって目から鱗の作品である。

はじめに「天文学から気象学へ」
天文学と気象学はもともとある学問であるが、小山氏によればこの天文学と気象学をライフハックのようにこう喩えている

「天文学」は大規模で予測が容易であること。
「気象学」は予想したくても予想できない複雑な世界であること(いずれもp.7より)。

つまり予測が容易であるかどうかである。学問的に解説するとくどくなるのでここでは割愛するが今の時代ほど予測できない「気象学」が似合うときはないと思う。ただ昔の時代は「天文学」なのかというと似ているところもあれば違うといえるところもあると思う(学問的な理由によるが)。

第1章「自分ハックを持つ 仮説から実行へ」
自分ハックを持つのはきわめて単純であり、それでいて大胆に実行できるために「仮説」というのが使われる。「仮説力」というような本がいくつか存在するが、それと似ているような気がする。

第2章「ライフハックルール① フィードバックしてパターンを認識する」
情報をとらえシステムを動作するために以下のフローで行う。(p.50より)

インプット→アウトプット→フィードバック

ここではフィードバックであり、インプットは第3章、アウトプットでは第4章で説明されている。インプットやアウトプットのみでは不備があっても、機械のようにずっと同じようなことになる。それではより良いモノがつくれない。特にインプットとアウトプットのパターンを改良するためにどのようなフィードバックをすべきかというだけでも、効率化のみならず楽しさが違ってくるので順番で言ったらこれは3・4章を身につけたら読んだ方がいいと思う。

第3章「ライフハックルール② 情報受容体を増やす」
ここではインプットである。情報受容体という情報を取り入れるものを増やすにはどうすればいいのかというのがかれているが、「「カレーのにおい」は何色?(p.107より)」や感情というのを利用するとなると五感を利用するのが肝心であるという。実際覚えるのは黙って覚えていてもすぐ忘れるのでこう言ったことが結構重要である。例えば音読や共感によって物事を覚えると結構忘れにくいと言われているが本章はまさにその通りを言っている。

第4章「ライフハックルール③ アウトプットする空間を作る」
何に対してもアウトプットしなければどのように情報を捕らえているのかというのがわからない。このアウトプットをするにはどこでやればいいのか、どうやればいいのか。格好のツールとなるのがブログである。おそらくアウトプットの要素だけで考えてみたらブログやHPはインターネットの媒体の中でも最大の発明であろう。アカウントさえあれば誰でも簡単にアウトプットが可能である。文字や画像などを用いて様々なアウトプットが可能である(ただし機密情報漏洩などの公序良俗に反しない限りで)。
ブログだけではなく、勝間氏が提唱している本で書かれている内容を愚直に1つだけでも実行するというのもまたアウトプットの1つである。アウトプットをすると言っても様々な方法があるが、今のようにアウトプットをする機械やツールが多い時期はなかろう。だからでこそアウトプット力をつける。そのことによって第2章のフィードバック・第3章のインプットを増強できる。

第5章「第三世代ライフハック つながりから創発へ」
これまでのまとめのこれからのハックについてであるが、「第三世代」というのが非常に気になった。「第三世代」があるとしたら「第一世代」と「第二世代」が存在する。それらと比較して何が違うのか。「第一世代」と「第二世代」の特徴とはについてもっと具体的に明示してほしかったのが私自身心残りとしてあった。

「TIME HACKS!」や「IDEA HACKS!」の集大成のようでいて、それとは違った仕事生活におけるHACKS!が本書に詰まっていた。さてこれを体系的にどう学んでいくべきか…
それを可能にするのが今月14日(土)のワクワークショップvol.2であろう。詳細はリンクにて。

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