テ・鉄輪(かなわ)

本書のタイトルである「テ・鉄輪(かなわ)」は、物語の舞台であるカフェ「サロン・ド・テ・鉄輪」を略したものである。しかもそのカフェは「縁切りカフェ」と言うから奇妙としか言いようがない。カフェも奇妙であれば、カフェに来る人々も奇妙である。人も奇妙であると、さらには因縁や宿縁など、奇妙な「縁」もある。ありとあらゆる「奇妙」が重なり合って作られた小説である。どのような人物が来るかというと「不倫」「狂乱」「殺人」「遺族」というようなおどろおどろしいキーワードが出てくる。そこから主人がどのように「縁」を断ち切るかと言うのを描いている。

しかし、出てくるスポットの中には京都に実在する所もある。巻末には主要スポット一覧もあり、タイトルにある「鉄輪」は、どうやら「鉄輪の井戸」という寺社に関係しているのだという。他にも関東には「縁切りマップ」もあるため、悪縁を断ち切りたい方にとっては小説で楽しむだけではなく、縁を断ち切るための実践もする事ができる一石二鳥の一冊と言える。

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