MONTH

2014年8月

あっぱれ町奉行―江戸を駆ける

「町奉行」は江戸時代にある仕事の一つで、現在で言う所の「裁判官」や「検事」という職業を指す。しかも一般的に町奉行というと地方の御奉行様の事を連想してしまうのだが、実際は江戸町奉行が「町奉行」と呼ばれたのだという。身分も勘定奉行や寺社奉行と同じくらいの身分で幕府の政治にも携わる立場であったから、武士ほどではないものの、身分は高かったと見て取れる。 町奉行の前説はここまでにしておいて、本書は江戸時代、 […]

北朝鮮で考えたこと

北朝鮮というと、昨日か今日か分らないのだが、アントニオ猪木らが訪朝し、プロレス興業を開催するのだという。アントニオ猪木のプロレス興業というと、1995年の「平和の祭典(平和のための平壌国際体育・文化祝典)」以来19年ぶりの事である。1995年の時は約19万人を「動員」した。 「動員」と言う言葉に違和感があると思うが、当局から試合に来るよう19万人ほど命令されていたのでそう使っている。果たして今回は […]

膨張する監視社会 個人識別システムの進化とリスク

アメリカでは9.11以降「監視システム」がドンドン広がりを見せ、電子化をする事も相まって「市民識別管理」にシフトされていった。市民一人一人にID番号が振られ、その中には膨大な個人情報が入れられるようになった。市民をIDで番号にして、1枚のカードに膨大な個人情報を入れて、監視する、以前慶応義塾大学のジョン・キム教授が定義した「逆パノプティコン社会」と呼ばれる社会が具現化していると言っても過言ではない […]

映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?

私自身、映画館に行くことがほとんど無いため事情はわからないのだが、今年の初めごろに観たい映画があって、それで1回行ってみたが入場料が高かったことに驚いてしまった。金額はタイトルにある通り1800円だが、1回の視聴だけでここまでの金額をとるのはどんなビジネスモデルなのだろうとふと疑問に思えてしまう。本書はその「疑問」に答えるとともに、映画館業界のからくりについて解き明かしている。 第1章「映画流通の […]

ピアノはなぜ黒いのか

うんちく本なのかもしれないが、私自身吹奏楽やオーケストラなどの音楽活動をしていた時にふと疑問に思っていたこととして本書のタイトルのようなものを連想する。ちなみに「黒い」というのは外観のことであり、中身の鍵盤は白と黒とがある。さらに、音が出る弦の部分に行くと、着色されていない部分が多い。 いろいろなピアノを見るとほぼ全部外観が「黒」なのだが、これにはどういった経緯があり、理由があるのだろうか。本書は […]

ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか

ソーシャルゲームの勢いは止まらない。最近陰りを見せたとは言え、勢いを見せる起業として「パズドラ(Puzzle & Dragons)」を出しているガンホー、ソーシャルゲーム業界のメジャーと言われているMobageを擁するDeNA、さらにはGREEなどソーシャルゲームによって急成長を遂げた会社は色々とある。その急成長に伴い、怪物市場となり、本書にて「第五次産業」になるのではないか、と分析をして […]

自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン

「対人関係」をどのように変えるかによって、自分自身の性格もそうだが、相手からの印象も変わってくる。特に対人関係に苦しんでいる人は「何でこうなっちゃっているんだろう?」と疑問に持ってしまい、解決しようと迷宮入りしてしまい、がんじがらめになってしまい、感情のコントロールがきかなくなってしまう。 しかしもとをただしてみると、対人関係が悪くなっている原因は「自分自身の心」にある。本書は9つのレッスンに分か […]

占いと中世人―政治・学問・合戦

占いの歴史は深く、中国大陸における「四書五経」の中で「易経」がでてきたことにある。ただ、史料がないが、もしかしたら古代エジプト・ギリシャ・ローマなど紀元前から文明のあったところでも同じような占い・占術があったと思われる(あくまで推測である)。 では本書の話に移る。本書は日本における「中世」、時代からして、平安時代~戦国時代に欠けての占術と人びと、その中でも軍事・政治・学問と「占い」との関係性につい […]

似ない者夫婦

「似たもの夫婦」と言う言葉がよく出てくるのだが、辞書を引くと、 「仲のよい夫婦はその性質・趣味などが似るということ。また、性質・趣味などが似ている夫婦」(「広辞苑 第六版」より) とある。性質や趣味などが似ているというのはおおざっぱであるのだが、細かい所で似ていると言うところを考えると「似たもの夫婦」というのはよくある夫婦と言っても過言ではない。 しかし本書に出てくる夫婦は細かい部分ですら似ていな […]

日本人の99%が知らない資産劣化時代に備える資産の増やし方

「資産劣化時代」と言うとおどろおどろしいイメージを持たれるのだが、実際にその時代がくるのは間違いないと著者は語っている。今はアベノミクスの恩恵をもって経済は成長しているのだが、この経済が低下し、資産が劣化する、メルトダウンするのは時間の問題であるという。その状況の中指をくわえて待っていては、いつの間にか資産がなくなってしまい、無一文、最悪の場合借金や破産もあり得る。それを脱するために、著者は「デト […]