自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン

「対人関係」をどのように変えるかによって、自分自身の性格もそうだが、相手からの印象も変わってくる。特に対人関係に苦しんでいる人は「何でこうなっちゃっているんだろう?」と疑問に持ってしまい、解決しようと迷宮入りしてしまい、がんじがらめになってしまい、感情のコントロールがきかなくなってしまう。

しかしもとをただしてみると、対人関係が悪くなっている原因は「自分自身の心」にある。本書は9つのレッスンに分かれて、「怒り」の感情をコントロールしながら、感情をコントロールする方法について伝授している。

レッスン1「心を見つめる」
「心をコントロール」する事は可能かどうかというと可能であるのだが、完全にコントロールするのは難しい。しかしコントロールする方法はいくらでもあるのだが、その根元は自分自身の気持ちを落ち着かせることにある。本章はその下準備についての伝授を行っている。

レッスン2「「怒りの起源」を知る」
「怒り」と言う感情は一瞬にして起こる。不快の感情が増幅して怒りに変化するのか、それとも不快を通り越して瞬く間に怒りへと変わるのか、そのメカニズムは不明であるのだが、その原理について「赤ちゃん」の行動に置き換えて解き明かしている。

レッスン3「なぜ「怒っている人」に弱いのか」
「怒り」を持っている人を見ると、人によるのだが、とたんに卑屈になってしまう人が多い。そういったことを「怒っている人に弱い」と定義しているのだが、そのメカニズムについて日本文化とともに考察を行っている。

レッスン4「怒りは百害あって一利なし」
アメリカのディベートでは怒ることは「負け」になってしまう。それは議論そのものが感情的になり、理性的に話すことができず、思わず本音がぽろっと言ってしまう事にあるのだという。それと同じように「怒り」と言う感情は時として誤った指図になることもあるため、著者は「百害あって一利なし」と主張している。

レッスン5「怒りに気づく」
「怒り」に気づくことができれば本章を見る必要がないのだが、自分自身の感情がコントロールできず「怒り」そのものに気づかない人もいる。そのために自分自身が「どうして怒っているのか」「その「怒り」を引き起こした要因とは何か」を知る必要がある。それを知るためにどのように分析したら良いのかについて本章にて取り上げている。

レッスン6「「明るさ」は自分でつくる」
「明るさ」と言うと性格からなっていて、自分自身では作れないのではないか、と思っている人もいるかも知れないが、自分自身の怒りを観察するとともに、どこが心の静穏の基準点になるのかについてのつくりかたについて伝授している。

レッスン7「対人関係をストレスにしない」
ストレスや心境・心情は対人関係によって変化しやすいと言われている。しかしそれを心の重荷、あるいはストレスにしない方が良いと著者は主張している。

レッスン8「日常のための瞑想法」
「瞑想」というと、宗教団体の人がやれば良いのでは、と思っている方もいるのだが、実際の所「ヨガ」も瞑想法の一つであり、ビジネスマンでも「瞑想」を日課に取り入れている人もいて、ビジネス書でも「瞑想本」があるなど、割と広がっているため、宗教特有のものではない。ではなぜ広がっているのか、それは心を落ち着かせる、心を安定させると言った効果があるからである。

レッスン9「プラスアルファの学びとしての性格分類」
自分自身の性格を知るためにはどうしたら良いのか、本章では応用編として自分自身の感受性はもちろんのこと、自分のメリット・デメリットをもとに著者独自の分類法を提示している。

心の傾向は人それぞれ異なる。しかしそれをコントロールできるのは相手ではなく、自分自身にある。それを認識した上でどのように変えていけば良いのか、そして揺れ動いている心の変化を察知し、落ち着かせ、安定させることができるのか。それが「自分を支える」ことになる。