社員幸福度 Employee Happiness 社員を幸せにしたら10年連続黒字になりました

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。
かつてブータンでは「国民総幸福量」 (GNH) を前国王のジグミ・シンゲ・ワンチュク氏が提示して、目標に向けて動いたことが有名である。もちろん日本でも行われようとしていたこともあったのだが、実際の所行われている形跡は現在ない。

では企業ではどうなのか、実際の所存在しており、「ブラック企業」の反対である「ホワイト企業大賞」の大賞を受賞するほど、社員にとっても、会社にとっても幸せなものとなった。その企業はどのようにして作られ、維持していったのか、そのことを取り上げている野が本書である。

第一章「新時代のリーダーと組織」
次世代のリーダーはどうあるべきか、先頭に立つべきかというと実際はそうでなく、上下関係というよりも、仲間として、そしてそれも人体における心臓の部分としてリーダーがあり、脳として幹部や参謀といった存在として役割を担うという。

第二章「小さな会社の大きな志 ~ ピアズのヒストリー ~」
著者自身が会社を興し、幸福のある会社を求めていったのには前の会社の経験が大いにあった。前の会社では天国も地獄も経験してきたことを財産に、起業を決意し、経営品質にこだわりを持ち、なおかつ社員幸福を求めていくようになった。

第三章「社員幸福度(EH)とはなにか?」
「働き方改革」と呼ばれることが政府主導で企業にも伝播し、理想の働き方を求めるようになった。「働き方改革」と言ってもなかなかピンとこない人がいるかもしれないが、だいたいは「仕事とプライベートを充実する」「ほどほどに」といった意味合いかも知れないのだが、著者の求める「働き方改革」は「社員幸福」に通ずるという。もっとも働いてやりがいを感じたり、幸せを求めたり、あるいは会社だけでなく、取引先といった顧客の幸福を求めることで働き方の変化を生み出すことができるという。

第四章「社員幸福度(EH)を向上させるための取り組み」
自分の会社の社員を幸福にするための取り組みには様々なものがあるのだが、その中でも本章ではその試みの一部が行われている。社員のみならず、社員の家族たちをも幸福にさせるための試みが会社や社員の要望などから制度化され、幸福に結びつけられている。

第五章「ES / EH マネジメントによる経営モデル」
ESは「社員満足度」を表しており、「EH」は前章・前々章のタイトルの通りである。それらをマネジメントすることによって幸福を生み出すようなシステム作りをしている。

会社は様々であるのだが、「良い会社」と言っても色々な定義がある。その中でも社員や会社の「幸福」に特に目を向け、それを得るための仕組み作りを行うことによってホワイト企業の代表格として成長していった企業のあり方がここにある。もし「働き方改革」に悩んでいる会社・組織であったのなら是非読んでみて欲しい一冊である。

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