逆境のリーダー ビジネスで勝つ36の実践と心得

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。

「金融業界の異端児」

そう呼ばれた人がいた。信託銀行の副社長としてあえて人材は育てないながらも、ナンバーワンの実績を得続けてきてた人のリーダーシップはまさに「独特」と呼ぶに相応しいものであった。そのリーダーの心得や実践方法はどうであったのか、本書にて明かしている。

1章「強い組織はリーダーで決まる~リーダーマインドがいかに強い組織に必要か~」
組織は人によって強くなったり、弱くなったりすることがあるのだが、その中でも影響を及ぼすのはリーダーである。そのリーダーがどうあるべきか、マインドを重点的にリーダー像をまとめている。

2章「勝てる事業戦略の作り方~小が大を制するには~」
「窮鼠(きゅうそ)猫を噛む」という諺がある。この諺は

「追い詰められた鼠が猫に嚙みつくように,弱者も逃げられない窮地に追い込まれれば強者に必死の反撃をして苦しめる」「大辞林 第三版」より)

とあるが、大が小に蹂躙されそうになったときに小が大を制するようなことがある。企業の競争では追い詰められることなく、大を制するようなこともあるためこの諺は当てはまらないことがあるのだが、戦略によって追い詰められたところから盛り返し、大を制するようになる。そのための戦略のつくり方をトレンドからターゲットに至るまでを伝授している。

3章「人を見極め、磨き、配置する~組織力を最大化する~」
よく「人材を育てる」と言う言葉を聞くのだが、著者はそうではなく「適材適所」を求めていると言える。まずは能力を見出しながら組織力を最大化させるために「配置」を行うことが大切であるという。もちろん配置を行った後、能力を磨くこともまた肝要とある。

4章「勝てるマネジメントの極意~日々の戦いで大切なこと~」
戦略をつくり、それを実行することによって課題が見える。もちろん効率よく達成するためにマネジメントも必要なのだが、戦略から先述に落とし込みながら、PDCAサイクルを回していくことによって日々の戦いをより良いものにしていく。

5章「真のリーダーになるために~リーダーとして成長し続ける心構え~」
組織を強くしていくためにリーダーを強くする必要であるのだが、強くするために成長があるのだが、その成長をするためには頭の使い方から行動、さらには人選に至るまでのことを網羅している。

リーダーの存在によって企業や組織は大きく変わってくる。もちろんリーダーはいきなりリーダーになれるわけではない。様々な経験や勉強、成長を通して強いリーダーが育つ。強いリーダーの姿、そしてそれをもって強い組織を作るためのノウハウがそこにある。