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中公新書

臨床心理学小史

「心理学」は私たちの生活にも「心理」を理解する上で大切な学問の一つとして知られている。一方でそのカテゴリの一つである「臨床心理学」はどうかというと、 人間の心理的障害・病理の問題を、心理学的な原理や知識を総合して解決することを図り、そのための理論および技術を研究する心理学の一分野「広辞苑 第七版」より とある。解決のための「理論」と「技術」を「研究」する分野であるため、問題をもとにした研究の分野で […]

最後の審判-終末思想で読み解くキリスト教

ミケランジェロ・ブオナローティの代表的な絵画に「最後の審判」がある。現在はバチカン市国にあるバチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の祭壇に描かれている。この「最後の審判」はキリスト教における「終末論」の考えにあり、「怒りの日」と同義に扱われている。 もっとも「最後の審判」の考え方はキリスト教のみならずユダヤ教・イスラム教・ゾロアスター教にも同様の考え方があるのだが、本書はあくまでキリスト教における「最後 […]

日本のコメ問題-5つの転換点と迫りくる最大の危機

日本人の多くはコメを主食としており、日本でも多くのコメを生産しているのだが、そもそもコメの生産自体が時代の「変化」にさらされ続け、問題視され続けている。しかしその「問題視」のあり方も時代共に変化し続けているのだが、その「変化」には何かしらの「転換点」が存在している。その「転換点」とこれからのコメの生産はどうあるべきなのか、本書にて取り上げている。 第一章「コメと田んぼに分けると見えてくるコメ問題と […]

三条実美-維新政権の「有徳の為政者」

先頃安倍晋三の国葬が営まれたのだが、国葬に関する物議もあった。もっとも安倍晋三が逝去に際し、大勲位菊花章頸飾と大勲位菊花大綬章の授与および「従一位」に叙することも決定した。 この「従一位」は日本における栄典の「位階」を表している。ちなみに「従一位」より下は「正二位」「従二位」「正三位」という順番となる。 では「従一位」の上はあるのかと言うと、「正一位」がある。しかしながら叙した人物は限られており、 […]

モチべーションの心理学-「やる気」と「意欲」のメカニズム

巷の書店にはモチベーションアップに関する本が立ち並んでいる。もちろんネットの記事でもモチベーションが上がる・上がらないといった記事も探すと簡単に出てくるほどである。仕事に限らずプライベートにしても、モチベーションの上げ下げといったものはどうしても重要なものと認識される。 ではそもそも「モチベーション」とはいったいどのようなものか、そしてそれが上がる・下がるにはどのような要因があるのか、本書は心理学 […]

韓国愛憎-激変する隣国と私の30年

日韓関係について、昨今では鳴りを潜めているが、かつては盛んに議論されるほどだった。もちろん後述の歴史認識問題などが発端となることがほとんどであったが。そもそも「歴史」と考えると、「日韓」というよりも、むしろ日本と「朝鮮半島」と言う方が適当かも知れない。 さて本書である。本書は1990年代以降あった「日韓関係」の歴史を著者自身の観点から紐解いている。 第1章「希少価値の韓国研究者―1990年代初頭」 […]

ジョン・ロールズ-社会正義の探究者

今でこそ、政治哲学の議論は盛んに行われているのだが、アメリカでは第二次世界大戦直後は盛り上がりに欠けていた。イギリスの哲学者であるアイザイア・バーリンでさえ論文で吐露するほど停滞した政治哲学の世界に大きな風穴を開けたのが、本書で紹介するジョン・ロールズである。 元々アメリカ陸軍の兵士として第二次世界大戦の戦地を渡り歩いたのだが、なぜ彼は兵隊を辞めて政治哲学に風穴を開けたのか、ロールズの生涯と共に追 […]

資本主義の方程式-経済停滞と格差拡大の謎を解く

資本主義は先進国のほとんどで採用されているのだが、そもそも「資本主義」といっても、時代とともにあり方が変化している。その「変化」とはいったいどのようなものか、そして資本主義経済における「格差」や「停滞」がなぜ生まれるのかなどを紐解いている。 第1章「資本主義経済の変遷」 「資本主義」そのものの定義になると、地域単位で、物々交換や地域独自の通貨を用いて交換を行うなどの概念が古代アテナイやローマの頃か […]

地球外生命-アストロバイオロジーで探る生命の起源と未来

よくSF作品などで「宇宙人」や「地球外生命体」といったものが取り上げられる。もちろん現在の宇宙の研究においては、見つかっておらず、論者によっては存在しないと主張する人も少なくない。 しかし生命の跡は地球以外に存在するのかどうか。研究の中には火星にて生物の跡があるのかどうか調査を行った「バイキング計画」もあった。現時点で地球以外の場所で生物やそれらしき細胞は発見に至っていないが、まだ解明されていない […]

リヒトホーフェン―撃墜王とその一族

ミリタリーのマニアの中には本書のタイトルにある「リヒトホーフェン」という人物をご存じの方もいるのかもしれない。サブタイトルにもあるようにドイツ帝国の軍人で、とりわけ航空隊での武功が最も有名である。特にアニメキャラのモデルにもなるのだが、それは後述する。本書はその撃墜王と呼ばれたマンフレート・フォン・リヒトホーフェンとその家族を取り上げている。 第1章「撃墜王―マンフレート」 マンフレート・フォン・ […]