肝臓病の「常識」を疑え!

私事ながら、先日の健康診断で肝臓に関して精密検査を受けるように言われた。一応今週は時間が空いているので精密検査を受けたが、実際肝臓病に関して危険な病気であることを聞いていたがそれに関しての情報も乏しく、もし本当に肝臓病だったらどのような治療法がいいのかということを気にしながら本書を手に取った。本書はよくいわれる肝臓病に関しての「常識」を疑いながら正しい方法を伝授している。著者が肝臓病に関することの世界的権威であるので説得力はあるかもしれない。

今の私が縁があるのは1〜3章の所である。しかし危なくなったら4章以降も大事になってくる。

第1章は肝臓の敵とは何なのかということについて書かれている。酒のイメージが強いが、何とシジミが肝臓病にとってNGな存在であったというのは驚きである。そしてカロリーオーバーも敵だという。そしてもっと驚いたのが、アルコール消費量と菅がん発症数というのは比例しないということ。ということは肝臓にとって悪い生活習慣をやっている、もしくは食文化である国ほど発症しているが。何が要因であるのかというのも注目である。

第2章は自分の肝臓を知るということ。これは肝臓に関して血液検査をやった人であればある程度わかる内容である。主要7検査の正常値や異常値についても図で示されているのでここの部分も分かりやすい。

第3章は脂肪肝とダイエットについて。よくTV番組で脂肪肝の人は運動したほうがいいとかバランスのとれた食生活をしたほうがいいというが、はたしてそうなのか。後者は本書ではその通りと言っているが、前者はどうやらそうではないようだ。脂肪肝にもいくつか種類があり、それに応じた対処法をしなければ意味がない、もしくは肝臓を悪化させてしまうという。

その種類は、

①過栄養性タイプ
②アルコール性タイプ
③ダイエット性タイプ

と分かれている。①は典型的なタイプなのでわかる、②もやや典型的であるのでこれも分からないでもない。しかし③、これは驚きである。運動をしてダイエットを行っていれば脂肪感も解消されるということを聞くが、これにも罠がありダイエットをやったとしてもバランスのとれた食生活をしていなければかかるというのである。

ということは過度な運動及び過度な食事制限をやっても意味がないという。そして最後は脂肪肝は背後に多くの病気があらわれることが書かれている。これについては健康診断で引っかかった人は医者に診てもらうしかないような気がする。実際私もそうなので。

第4〜6章は肝炎、とりわけC型肝炎に関してである。昨年末にはC型肝炎訴訟について大幅な進展が見られ、ようやく解決にこぎつけた。しかしそれに関してどのように戦っていけばいいのか、そしてインターフェロンについて詳細に書かれている。簡単に紹介するがインターフェロンはC型肝炎の特効薬といわれている。ウィルスを抑えるどころか、ウィルスを完全に除去することができるという。有効率は100%とまではいかないが高い。それだけの効果もあるのでかなり高額である。少なくとも60万円するとか。

第7〜8章は肝がんに関してである。これに関する治療は年々進歩しているが、それについてのことについて書かれている。専門的ではあるがわかりやすい。新しい治療法があるということさえわかればいいのでここは読み流す程度でいいだろう。

肝臓に関しての常識が覆さる感じは良かったものの、まだまだ信じられない部分もあるのでもう少し肝臓に関する本を読んでおこうかと思う。