2009年年末恒例企画 vol.4 「人文」本ランキング

年間ランキングもいよいよ後半に差し掛かりました!!4日目は「人文部門」でございます。

人文というと「哲学」「倫理学」「心理学」が挙げられますが、当ブログでは他にも「歴史」や「人物」も人文に挙げています。人間としてどう生きるべきかという考えにカンフル剤を入れるという考えから「人文」というカテゴリーをつけました。さてランキングを見てみましょう。

第5位 「裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記

山口絵里子氏の一冊。単身でバングラデシュへ行きそこでの壮絶な体験が生々しく書かれ、それでもひたむきに前に進む山口氏の姿は本当に感動いたしました。

第4位 「「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言

「分かりやすい」というと、「善」という考えが罷り通っているように思えますが、実は「悪」である側面もあります。簡単に言えば、それだけで理解し、思考が停止してしまうというのがあります。

この本はそれを批判しながら、幅広く考える重要性について書かれた一冊です。

第3位 「おかみさん

年初の読書朝食会について取り上げた一冊ですが、笑点メンバーでおなじみだった林家こん平師匠が語ることのなかった苦しみについて、おかみさんが初めて語った一冊です。当ブログでは語り尽くせないほど壮絶なものでした。

第2位 「ブラバンキッズ・オデッセイ 野庭高校吹奏楽部と中澤忠雄の仕事

これは今年の4月1日に当ブログ移行1周年、書評2周年、ブログ開設3周年を記念して、全書評の中から最も思い出に残った一冊として取り上げました。実はこの本、復刻版として出版されたそうです。

またYouTubeでも伝説とも言われた演奏がUpされていました。

第1位 「圓楽 芸談 しゃれ噺

これを1位にしないわけがありません。何といっても10月末の三遊亭円楽師匠の訃報には私自身絶句してしまいました。物心ついたときから「笑点」のファンで、予定がない時にはワンセグで見るほどでした(ちなみにTVはこれとF1以外は見ません)。

番組初期のころから回答者として笑点に出演し、83年には司会者に、それから病に倒れるまでの23年間、笑点の「顔」として出演されていました。

この本はまさに円楽師匠の半生をつづっており、笑点メンバーのことについても語っています。特に現在司会者の桂歌丸師匠については以下のように評していますが、このフレーズは今年読んだフレーズの中でも最高の物でした。

「その歌さんも落語に出てくる物知りのご隠居を彷彿とさせる風貌や、ことにあの人並みはずれて無駄を省いた頭髪といい、物知りぶりと言い、個性が際立ってますよ(p.273より)」

何のネタかはご想像にお任せいたします。

「人文部門」はまさに粒ぞろいでした。

明日は、いよいよ「ビジネス」部門。ベスト10なので2回に分けて紹介いたします。