「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち

高度経済成長、そしてバブル景気と「モノの消費」によって大きな経済成長を続けてきた。「モノの消費」によって経済が動いているが、最近私たちの世代には「消費」を極端にいやがる傾向にあるという。その人たちのことを「嫌消費世代」と呼ばれている。

年収200万円に満たない人が大半を占めている事を考えると、「消費したくない」と言うよりも「消費できない」という考えもあるのかもしれない。しかしそのような状況下でも毎月数万円ずつ貯金をする人もいる。

なぜ、私たちの世代は「消費」を嫌うのだろうか。その大きな要因として「失われた10年」が大きく関わってくる。「失われた10年」の中で日本の雇用形態や消費形態が大きく変わり、親世代もお金を節約するようになっていった。「もったいない」と言う言葉がごくあたりまえに浸透しきっていた頃とも言える。ちょうどその頃は小学生〜中学生と親の背中を見ている時であり、「嫌消費」の考えの根幹がそこで生まれたのかもしれない。

「嫌消費」にまつわる批判も多いが、とりわけ多いのが「世代間」の議論である。いわゆる「俗流若者論」と呼ばれるような「近頃の若い者は〜」という論調で代表されるものがある。本章では世代論に関しての言及は行っているが、考察までであれば許容できるが、それが特定の世代に関する批判であるとするならばある種の差別としか言いようがない。
それはさておき、最近では「FREE」という戦略も出てきており、経済的にも変化が起っていることは間違いない。「「嫌消費」世代をいかに目を向けるか」と言うのがどの業界でも大きな課題と言えるだろう。